デジタル大辞泉 「グラナダ」の意味・読み・例文・類語
グラナダ(Granada)
中央アメリカ、ニカラグアの南西部、首都マナグアの南東約45キロメートルにある都市。グラナダ県の県都。ニカラグア湖の北西岸に位置する。1524年、スペイン人がニカラグアで最初に創設した町として知られ、植民地時代の建造物が多数残されている。
翻訳|Granada
スペイン南部、アンダルシア地方、グラナダ県の県都。シエラ・ネバダ山脈の北西麓(ろく)、標高685メートルの地にあり、グアダルキビル川支流ダロ川に臨む。人口24万0661(2001)。市街は三つの丘の斜面に広がる。イスラム時代の末期にはグラナダ王国の首都で、イスラム教徒の支配が長く続いたためその影響が色濃く残る。有名なアルハンブラ宮殿、1531年創設の大学、アラゴン王フェルナンド2世とカスティーリャ女王イサベル1世の墓がある大聖堂などのほか、歴史的建造物が多く、観光地となっている。平均気温は1月7.0℃、7月25.7℃、年15.5℃であるが、スペインの中では冬は寒い地方とされる。年降水量は529ミリメートルで乾燥している。イスラム時代に施された灌漑(かんがい)施設が維持・改善され、これを利用して付近の農地では果物、野菜、穀物などが豊富に生産されている。ぶどう酒、オリーブ油などの食品工業のほかに、織物、製紙工業がある。
[田辺 裕・滝沢由美子]
起源はローマ期以前の集落イリベリスにさかのぼるが、直接今日のグラナダ市につながるものは8世紀に築かれた砦(とりで)のガルナータで、イスラム期を通じてしだいに重要な都市に成長した。13世紀前半、キリスト教徒のレコンキスタ(国土回復戦争)によってアル・アンダルス(イスラム教スペイン)の大部分が占領されたなかで、ムハンマド・ベン・ナスルがここにグラナダ王国(ナスル朝)を建てた。以後、約250年間、グラナダはイベリア・イスラム文化の最後の中心となる一方、北アフリカとの交易や国内産業の発展によって相当な繁栄をみた。ナスル朝の宮殿兼要塞(ようさい)であったアルハンブラは、歴代諸王の文芸愛好と盛んな経済活動の融合の所産である。
[小林一宏]
スペインの宗教作家。俗名はルイス・デ・サリアLuis de Sarriaで、ガリシア地方出の貧しい家庭の子としてグラナダに生まれる。21歳のとき、母が洗濯女として働いていたドミニコ会修道院に入り、同会の要職をいくつか務めたあと、ポルトガルの管区長となり、リスボンで死去。キケロやクィンティリアヌスQuintilianus(35ころ―100ころ)の流れをくむ修辞色の濃い修徳書を書いたが、また同時に繊細な情感も持ち合わせており、スコラ的厳格さを旨とするドミニコ会よりも、むしろアウグスティヌス会やフランシスコ会的な作風をもっている。作品に『祈りと黙想の書』(1554)、『罪人の手引き』(1556)などがあり、後者は日本でも『ぎやどぺかどる』の名で1599年(慶長4)に抄訳された。
[佐々木孝 2017年11月17日]
『『覆刻日本古典全集 ぎやどぺかどる・妙貞問答・破提宇子・顯偽録』(1978・現代思潮社)』
スペイン南部,アンダルシア東部の行政・文化の中心地で,同名県の県都。人口23万1577(2001)。都市の起源はローマ時代にさかのぼるが,イスラム支配下の時代,特にキリスト教征が1236年にコルドバを奪回して以後,ナスル朝グラナダ王国の首都として繁栄を極めた。13世紀に建造されたアルハンブラ宮殿,アラブ式庭園ヘネラリフェ,商工業を担ったユダヤ人やモリスコの居住区アルバイシンをはじめ,多数の史跡・名所がある。ナスル朝は15世紀末に内紛状態に陥り,再征服を推進するカトリック両王は,ナスル朝最後の王ボアブディル(ムハンマド11世)を降伏させ,1492年1月2日グラナダに入城した。これにより781年間のイスラム支配が終わる。カトリック両王はこれを記念し,グラナダに王室礼拝堂を建造した。そこに両王の墓が置かれている。スペイン統一以降,かつてのグラナダ王国からモリスコが追放され,グラナダは衰退していった。1873年にはスペイン南部の連邦主義運動の一拠点となった。内戦の際には,反乱軍によって共和国派の人々への激しい弾圧が行われ,グラナダの詩人ガルシア・ロルカはナショナリストに暗殺された。今日のグラナダは観光のメッカで,春のグラナダ国際音楽祭が毎年の観光シーズンの幕開けを告げる。イスラムの残した手工業も工芸品を中心に活気を取り戻している。
→ナスル朝
執筆者:岡住 正秀
ニカラグア南西部のニカラグア湖畔にある同国第3の都市。人口7万9418(2005)。1523年にスペイン人の手で建設されたが,17世紀には,海賊にしばしば襲撃された。1857年にはアメリカの傭兵W.ウォーカーによって放火・略奪されている。植民地時代のいくつもの建物が残っており,家具,セッケン,織物,ラム酒などの製造業も盛んである。伝統的に保守派の拠点で,自由党の中心であるレオン市と政治的・経済的に対立してきた。
執筆者:山崎 カヲル
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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スペイン南部アンダルシア地方の都市で,シエラ・ネバダ山脈の北西麓に位置する。13~15世紀にナスル朝の首都として繁栄,アルハンブラ宮殿はこの時代の代表的建築物。グラナダを陥落させたカトリック両王は王室礼拝堂を建造,そこに両王の墓が置かれている。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
…低湿地にはワニ,トカゲなどの爬虫類が生息する。ニカラグア低地に人口の半数以上が集中しており,マナグア,グラナダなど都市が多い。水資源や森林資源に恵まれているが,その開発は遅れており,未耕地も多い。…
※「グラナダ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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