マナグア(読み)まなぐあ(英語表記)Managua

翻訳|Managua

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マナグア」の意味・わかりやすい解説

マナグア
まなぐあ
Managua

中央アメリカ、ニカラグア首都。同国の中西部マナグア湖南岸に位置する。人口86万4200、都市圏人口109万3760(1995)、都市圏人口98万5143(2009推計)。1520年代にスペイン人による植民地化が始まったときから、保守派グラナダとリベラル派のレオンとの間に政治抗争が絶えなかったため、1858年両市からほぼ等距離にある地にレオンにかわる新首都として建設された。以来、同国の政治、経済、文化の中心地である。1931年の地震、1936年の大火災で市街地壊滅したが、官庁・業務地区を中心に都市計画に基づいた近代的都市として再建された。しかし、またもや1972年、市街地の真下を震源とするマグニチュード6.2の大地震に直撃され、死者は5000人とも1万8000人ともいわれた。市街地は建物の建設が禁止されたため、現在も廃墟(はいきょ)となった建築物が数多く残る。食品関連工業があるが、1979年の革命後、1981年ころから1990年まで続いた内戦の影響と民間企業に対する規制とにより、経済活動は停滞している。

[栗原尚子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マナグア」の意味・わかりやすい解説

マナグア
Managua

ニカラグアの首都。また同名県の県都。同国西部,中央高地と海岸山地に挟まれた低地にあり,マナグア湖南岸に位置する。標高わずか 55mで,高原に位置する他の中央アメリカ諸国の首都に比してかなり暑い。スペイン植民地時代にはレオンとグラナダが二大都市として発展し,マナグアは小さなインディオの町にすぎなかったが,長期にわたる対立,抗争を続けた両市が妥協策として,1857年両市のほぼ中間に位置したマナグアをニカラグアの首都に定めた。以後中心地として急速に発展,ニカラグア最大の都市となっている。市街は 1931年の大地震で破壊されたのち,近代的な都市として再建され,壮麗な政庁舎,聖堂,大学,競技場などとともに街路も整備され,美しい熱帯都市の景観を誇ったが,1972年 12月再び大地震に見舞われ,6000人以上の死者を出して市街の大半が壊滅。さらに,反ソモサ大統領派のサンディニスタ民族解放戦線の拠点となり,1978~79年のゼネスト,ソモサ打倒後の内戦などで混乱が続いた。肥沃な農牧地帯を後背地としてもつ商業中心地として,コーヒー,綿花トウモロコシなどを集散。また小規模ながら食肉加工,家具,金属,石油精製など各種工業が立地。交通の中心地で,パンアメリカン・ハイウェー,太平洋沿岸鉄道が通り,東郊に国際空港がある。ラテンアメリカの大詩人 R.ダリオの像が立つダリオ公園がある。人口 90万8892(2005)。

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