日本イエズス会出版のキリシタン版の一つ。1599年(慶長4)日本学林(コレジヨ)で印刷。原著はスペイン人修道士ルイス・デ・グラナダの《Guia de pecadores》(1555)。本書はポルトガル語訳《Guia do pecador》の日本語抄訳で,上下2巻,2冊からなる。欧字欧文入りで,初めて,でうすなど4語の洋語略符号を交えた漢字ひらがな本。表題の下に〈罪人を善に導くの儀也〉とあるように,信仰修養の書として知識階層のキリシタンに広く読まれた。新・旧約聖書や聖人の著書からの引用が多く,訳文は和漢洋語を駆使して新文体を開き,内容,形式ともにキリシタン文学の中で重要な地位を占めている。バチカンなど9図書館に現存。《日本古典全集》(第2期)所収。
執筆者:五野井 隆史
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
「罪人の導き」の意で、キリシタン版の一種。「ぎやどぺかどる」とも書く。スペインのドミニコ会司祭ルイス・デ・グラナダの原著(1555刊)の抄訳本で、1599年(慶長4)に長崎で出版された。国語国字本2巻で、『きやとへかとる』の表題の下に「罪人を善に導くの儀也」とあり、神の十戒を説き、救霊、修徳の指針としたものである。巻末に字集が付されており、新旧約聖書や聖人の著書から、ことに聖アウグスティヌスの引用句が多い。本書はキリシタンの知識階級の人々の間で広く読まれた。ロンドンの大英図書館などに数本が現存する。
[松田毅一]
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キリシタン版の一つ。1599年(慶長4)長崎コレジヨで刊行。国字本。2巻。原著は1555年リスボンで刊行されたカトリック思想界の代表的著作で,ドミニコ会士ルイス・デ・グラナダ著。原題「Guia do Pecador」は「罪人の導き」の意。聖書や教父らの著作からの引用が多い。著名なキリシタン文学。「日本古典全集」所収。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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