介護支援専門員。ケアマネジャーともいう。ケアマネと略称される。1960年代にアメリカで始まったとされるケースマネジメントは、ケース(介護対象者)に対する個別的な支援をいうものであったが、1970年代からイギリスではケア内容を適切なものにするというニュアンスからケアマネジメントとよばれるようになった。ケアマネージャーとはケアマネジメント(日本では、介護支援サービス機能)を行うものをいうが、ケア資源を利用者の視点で組み立てる新しい視点にたって、利用者の主体性や自立性、利用者自身の選択というキーワードで実務に携わる。利用者の人権に対する配慮とニーズ把握およびアセスメント(評価・査定)を行い、介護保険制度におけるケアプランの策定やその評価を行う。日本において制度化されたケアマネージャーは、要介護者の相談に応じ、介護機関との連絡調整、介護サービス計画の作成、介護認定申請の代行などに携わる。ケアマネージャーの資格を得るには、都道府県等が行う試験に合格した後、実務研修を修了することが必要である。受験資格には以下の法定資格などで5年以上の実務経験が求められる。社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士、医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あんまマッサージ指圧師、鍼(はり)師、灸(きゅう)師、柔道整復師、栄養士(管理栄養士を含む)、あるいは相談援助業務に従事する者で社会福祉主事任用資格、訪問介護員養成研修2級課程に相当する研修を修了した者である。なお前記の資格または研修修了の資格がない場合は、所定の福祉施設での介護等に従事した期間が10年以上の者とされている。
[吉川武彦]
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