ケアプラン(読み)けあぷらん(英語表記)care plan

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケアプラン」の意味・わかりやすい解説

ケアプラン
けあぷらん
care plan

介護保険制度で受けるサービスの利用計画。介護保険ではどの程度の介護の必要性があるか、重度目安である要介護度で、受けられるサービスが決まっている。利用者の心身状態や家族状況、利用者の希望などから、どんな種類のサービスを何回、どれだけの時間、どこで受けるかという、月単位のメニューになる。利用者がつくることもできるが、通常は介護支援専門員(ケアマネージャー)に依頼する。ケアマネージャーは一定資格者で都道府県が実施する介護支援専門員実務研修受講試験に合格する必要がある。介護福祉士、看護師などからケアマネージャーになるケースが多い。ケアプランの内容は状況の変化に応じて変更される。

 介護サービスはおもに自宅で受ける場合と、施設に入所する場合がある。自宅ではホームヘルパーが訪問し、食事や排泄(はいせつ)、入浴などの介護や、掃除洗濯調理などの生活援助をする。病気を患っている人を対象とした訪問看護や訪問リハビリのほか、孤立感の解消や家族の負担軽減のために施設に通ってもらい、レクリエーションや機能訓練、食事、入浴サービス等を提供するデイ・サービスなど、メニューは豊富である。また入所施設には特別養護老人ホーム介護老人保健施設などの種類があるが、いずれも居住し、常時ケアが受けられる。

 介護サービス費用の9割は介護保険から支払われる(2014年8月時点)。このため、施設がケアマネージャーに命じて過剰なサービスを提供させる「お手盛り介護」や、架空サービスなどの問題が指摘されている。こうした不正請求に関係したとして、年平均10人ほどが資格を取り消されている。

田辺 功]

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