コリスチン

共同通信ニュース用語解説 「コリスチン」の解説

コリスチン

多剤耐性緑膿りょくのう菌など、既存の薬の多くが効かない細菌による感染症への「最終治療薬」とも言われる抗生物質で、日本国内では昨年承認された。動物用医薬品として牛や豚などにも使われる。米国では近年、別の有力な抗生物質「カルバペネム」が効かない細菌による院内感染問題となっており、コリスチンへの依存度を強めている。(共同)

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百科事典マイペディア 「コリスチン」の意味・わかりやすい解説

コリスチン

日本国産最初の抗生物質。芽胞杆(かん)菌の一種が産生。グラム陰性菌の発育阻止作用が強い。塩酸塩または硫酸塩として腎盂(じんう)炎,膀胱(ぼうこう)炎,尿道炎腸チフス急性虫垂炎,乳幼児消化不良症などに適用。また乳牛細菌性腎盂炎,鶏白痢病の予防など畜産関係にも用いる。→杆菌

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コリスチン」の意味・わかりやすい解説

コリスチン
colistin

日本製のポリペプチド系抗生物質。土壌中から分離された有芽胞細菌 Bacillus polymyxa var. colistinus培養液から抽出された。細胞質膜障害による殺菌作用でグラム陰性菌に特異的に有効である。ポリミキシンBよりも抗菌作用は強く,副作用は小であり,大腸菌緑膿菌による尿路感染症など,種々のグラム陰性菌による感染症に用いられる。副作用としては,腎障害,消化器障害が現れることがある。ポリミキシンBと交差耐性を生じるが,他の抗生物質との間には認められない。

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世界大百科事典(旧版)内のコリスチンの言及

【抗生物質】より

…生物活性,耐性などもエリスロマイシンに類似しており,治療薬として用いられている。(7)コリスチン アミノ酸のつながった環状ペプチド構造をもち,ポリミキシンBも類似物質。ともにバチルス属の細菌から見いだされ,グラム陰性菌にのみ有効で,とくに他の抗生物質に比べ緑膿菌に強い作用をもつことが特徴である。…

※「コリスチン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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