コリントゲーム

デジタル大辞泉 「コリントゲーム」の意味・読み・例文・類語

コリント‐ゲーム(Corinth game)

少し傾斜させた逆U字形の盤に多数の釘を打ち、所々点数のついた穴をあけておき、球を小棒で突いて盤上転がし、穴に入れて得点を競うゲーム。商標名。

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精選版 日本国語大辞典 「コリントゲーム」の意味・読み・例文・類語

コリント‐ゲーム

  1. 〘 名詞 〙 ( 商標名Corinth game ) 球を一個ずつ棒で突き、たくさんの釘を植えて穴をあけたゆるい傾斜の盤上を走らせ、穴へはいった球の多少によって勝負を争う遊戯
    1. [初出の実例]「母さん、それ、あれがレビュウ、これがコリント・ゲーム、かうするのよ」(出典:津軽の野づら(1935)〈深田久彌〉母)

コリントゲームの語誌

薬品製造会社の小林脳行が、従来のゲームに改良を加えて昭和八年(一九三三)に発売した遊具の名。同八、九年に流行した。名前の由来は、社名の「小林」を「コリン」と読み、それを古代ギリシアの都市名になぞらえたところから。

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改訂新版 世界大百科事典 「コリントゲーム」の意味・わかりやすい解説

コリントゲーム

球転(たまころ)がし遊びの盤製玩具。上部楕円形の木目式製盤に多くの釘を植え,盤の各所にある穴にそれぞれ点数が記してある。鉄製の小球10個を下部の突出し口から小棒で1個ずつ突いて盤上に転がし,穴に入った点数を合計して得点を争う。アメリカのデトロイトのカイルCaille兄弟商会が1910年に登録した遊戯台で,一般にはピンボール・ゲーム機pinball game machineと呼ばれた。日本では発売元小林脳行が,自社名〈小林〉を音読みしたコリンをもじったコリントゲームの名で売り出し,昭和初年流行した。現在はこれによく似た大型のものがスマートボールの名で遊技場でみられる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コリントゲーム」の意味・わかりやすい解説

コリント・ゲーム
こりんとげーむ

球(たま)転がしの遊戯具の一つ。盤物ゲームの一種。上部が楕円(だえん)形になっている長方形の木製盤に多くの釘(くぎ)を植え、その囲みの中や盤面の諸方に穴をうがち、それに点数が記してある。鉄製の小球10個を下部の突き出し口から小棒で1個ずつ順々に突いて盤上に転がし、穴に入った点数を合計して得点を競う。この種の球転がし遊びは従来からもあったが、昭和初年、薬品メーカーの小林脳行(のうこう)がくふうを加え、会社名を音読した「コリン」をもじって命名、発売した。当時家庭遊戯具として流行し、大形のものが大道の遊戯にも使われた。なお、同様の遊びでは、盤をさらに緩傾斜させて球をはじくスマート・ボールsmart ballがある。

[斎藤良輔

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百科事典マイペディア 「コリントゲーム」の意味・わかりやすい解説

コリントゲーム

室内遊戯具。わずかに手前に傾斜した逆U字形の盤に,10個の穴をあけ,穴の周囲などに釘(くぎ)を打っておく。盤の右下隅から小さな棒で球を盤上に打ち出し,球が穴に入った結果で得点を競う。欧米でピンボール・ゲームの名で行われていたものを小林脳行(株)が輸入・改良し,〈小林〉の読みをもじったコリント商会から発売したのが最初。1933年―1935年大流行し,後のパチンコの起源となった。

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