翻訳|condom
ラテックスゴム製の袋状の避妊器具。勃起した陰茎にかぶせ,射精された精液が腟内にはいるのを防ぐことで避妊する。日本で最も普及している避妊法で,製品も外国製より薄くじょうぶで優れている。16世紀ころにイタリアのG.ファロピオがリネンで陰茎を覆って梅毒を防ぐことを考案したとされ,17世紀にイギリスのコンドンCondomという医者がこれをチャールズ2世のために作ったことから,この名が出たといわれる。古くは羊の盲腸や魚のうきぶくろなどが用いられた。コンドームには,手軽に入手でき,使用法が簡単で,原理もわかりやすい,感染を防ぐのに役立つ,などの長所がある一方,性交のたびに使用せねばならず,ムードを阻害する,性感に影響するため,男性はあまり使用を好まない,などの短所もある。
使用にあたっては,陰茎が十分に勃起してから,つめで傷つけないように注意して静かに根元までかぶせる。その際先端の精液だめの空気を抜いておく。射精後も運動を続けたり,そのままにしておくと,萎縮した陰茎とコンドームの間から精液が漏れて腟内にはいり妊娠することがあるから,早めに手をそえて抜去するなどの注意が必要である。
→避妊
執筆者:我妻 尭
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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…さらに,19世紀から20世紀にかけては,先進諸国は帝国主義時代を迎え,各国で〈富国強兵〉策をとったため,出産が奨励され,やはり避妊は禁止された。日本でも同様で,コンドームのみが性病予防器具として販売された。避妊法の指導普及が各国で許可されるようになったのは,第2次大戦以後のことである。…
※「コンドーム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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