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避妊薬 ヒニンヤク

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デジタル大辞泉の解説

ひにん‐やく【避妊薬】

妊娠を避けるために使用する薬。ピルなど経口的に内服するものや、性交時に殺精子剤を局部に用いるものがある。

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監修:松村明
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百科事典マイペディアの解説

避妊薬【ひにんやく】

避妊の目的に使う薬剤で,外用する殺精子剤と経口避妊薬がある。前者には酢酸フェニル水銀や硫酸オキシキノリン,トリオキシメタレンなどがあり,座薬,錠剤,粉末として性交前に腟(ちつ)内に挿入するか,性交後溶液で腟洗浄をする。
→関連項目避妊

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大辞林 第三版の解説

ひにんやく【避妊薬】

避妊の目的に用いる薬剤。卵巣からの排卵を抑制する経口避妊薬(ピル)と、膣内に挿入して精子を殺すための殺精子薬がある。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

避妊薬
ひにんやく
contraceptive

妊娠を避けるために用いる薬剤をいう。避妊法のうちの化学的方法で、薬物を経口的あるいは局所的に投与する。経口避妊薬のほか、殺精子剤spermatocidal agentを主成分とするクリームゼリー、腟錠(ちつじょう)、避妊フィルムがある。日本ではクリームは発売されていない。殺精子剤としてはメンフェゴールmenfegolとポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルpolyoxyethylenenonylphenyletherの2種の界面活性剤が用いられている。避妊薬でもっとも多く使用されているのが女性用経口避妊薬である。[幸保文治]

経口避妊薬

卵胞(らんほう)ホルモンestrogenや黄体ホルモンprogesteroneからつくられる女性ホルモン剤を連日服用することにより、下垂体前葉からのゴナドトロピン(性腺(せいせん)刺激ホルモン)の分泌が抑制され、排卵が抑制されることにより避妊の目的を達する内服用の薬物である。OC(oral contraceptiveの略)ともいい、一般にはピルpillで知られる。ピルは「丸薬」の意で、避妊薬contraceptiveの当初の剤形からこうよばれたものとみられ、広く経口避妊薬の代名詞として世界的に通用している。1955年、アメリカの内分泌学者ピンカスPincus(1903―67)が指導して行ったプエルト・リコのサン・フアンにおける臨床実験の結果、100%に近い避妊効果が確認された。1960年、アメリカで初めてピルが承認されて以来、その簡便さと避妊効果の確実性により世界各国に普及した。1970年代にエストロゲン(卵胞ホルモン)成分による副作用の静脈血栓塞栓(そくせん)症の問題が指摘され、エストロゲン成分の減量化が図られた。こうして避妊効果を損なわず、副作用の少ない低用量ピルが開発され、ピルの主流を占めるようになった。低用量ピルはエストロゲンが50マイクログラム未満のものであり、50マイクログラム以上のものを中・高用量ピルという。この中・高用量ピルに分類される女性ホルモン剤は、機能性性器出血、月経困難症など婦人科疾患の治療薬として使用されている。日本では1990年(平成2)、避妊を目的とする医薬品として低用量ピルが申請され、1999年2月に9社16製剤が承認されて、同年9月に発売となった。経口避妊薬としては初めての承認で、先進諸国のなかで一番遅れてのスタートとなった。
 経口避妊薬の成分内容は、黄体ホルモンとして第一世代のノルエチステロン、第二世代のレボノルゲストレル、第三世代のデソゲストレルが使用され、卵胞ホルモンにはエチニルエストラジオールが用いられている。また、服用量が服用期間中同一である一相性と一度変更する二相性、二度変更する三相性に分けられる。
 包装単位は21錠入りシートと28錠入りシートの2種類がある。錠剤が含量により色分けされていたり、シートに曜日が印刷されていたりして、飲み忘れのないよう工夫されている。月経開始日より服用を始めるが、最小限の服用にしたい場合は21錠のシートを用いる。1日1錠を21日間服用、7日間休薬する。習慣的に毎日服用したい場合は28錠のシートを用いる。これには、21錠の実薬に加え、7錠のプラセボ(ホルモンを含まない偽薬)が含まれる。実薬を1日1錠毎日服用し、21錠のシートの休薬期間にあたる7日間は、プラセボを服用する。
 医療用医薬品で服用には医師の処方を必要とし、保険は適用されない。副作用は悪心(おしん)、嘔吐(おうと)、頭痛、不正性器出血、乳房の緊満感などがある。長期服用者では乳癌(がん)、子宮癌などのリスクが多少多くなる。重篤な副作用に血栓症がある。服用を避けなければならない場合は以下のとおりである。(1)ホルモン成分に対して過敏性素因がある、(2)エストロゲン依存性腫瘍(たとえば乳癌など)、(3)子宮頸癌(けいがん)およびその疑いがある、(4)診断の確定していない異常性器出血がある、(5)血栓性静脈炎、(6)肺塞栓症、(7)脳血管障害、(8)冠動脈疾患またはその既往歴がある、(9)35歳以上で1日15本以上喫煙する、(10)血栓性素因がある、(11)重篤な肝障害がある、(12)高血圧がある、などである。他剤を併用して服用する場合には相互作用が多くみられるので、医師、薬剤師に相談する必要がある。また経口避妊薬はエイズその他性感染症を防止するものではない。経口避妊薬の有効性は、飲み忘れのない理想的な服用で妊娠率0.1%、飲み忘れを含めた一般的な服用における妊娠率は5%と推定されている。[幸保文治]

局所使用の避妊薬

殺精子剤を主成分とするゼリー、膣錠、避妊フィルムがある。避妊フィルムはオブラートのように柔らかく、折り畳んで指で膣内に挿入するだけでよいので、操作は簡単である。フィルムは膣内で速やかに溶けて膣内にとどまり、殺精子作用を現すが、射精までに時間がかかりすぎると効果が低下する。すなわち、携帯には便利であるが、使用のタイミングがむずかしい。ゼリーと膣錠は、ともに膣の奥深く挿入することが大切である。ゼリーは注入器を用いて膣内に挿入するが、流れ出やすい欠点があり、ペッサリーの両面に塗って用いると避妊効果が助長される。膣錠は発泡錠で、膣に挿入すると分泌物によって溶け、発生した炭酸ガスにより発泡して膣粘膜内に浸透し、避妊効果を発揮する。いずれの殺精子剤も、かならずしも膣内で完全に精子を死滅させることはできないので、単独では高い避妊効果が期待できず、コンドームやペッサリーとの併用が望まれる。[幸保文治]

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