哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。かつて氷河時代にはフランスやイギリスにもいたが、現在は中央アジアに分布し、寒冷な草原に生息する。肩高60~80センチメートル、体重23~40キログラム。角(つの)は雄だけにあり、長さ25~30センチメートル。体色は季節で異なり、夏は上面が黄褐色、冬は白色を帯びる。顔や腹面は白色。大きな鼻孔は乾燥した空気に湿気を与え、冷たい空気を暖める働きがあるという。夏は30~40頭の群れでいるが、ときとしてその群れが集まって1000頭ほどになる。群れに順位はなく、リーダーもいないが、12月には1頭の雄が5~15頭の雌を従え、リーダーとなる。この時期に若い雄は別の大きな群れをつくる。交尾期が終わると、ふたたび大きな群れを形成する。食物はおもに草である。走るのが速く、時速70~80キロメートルに達する。敵に追われると、ときおり高く跳び、敵を見る。妊娠期間は約5か月で、1産1~3子、普通2子を産む。
[今泉忠明]
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