カモジグサ(読み)かもじぐさ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カモジグサ」の意味・わかりやすい解説

カモジグサ
かもじぐさ / 髢草
[学] Elymus tsukushiensis Honda var. transiens (Hack.) Osada
Agropyron tsukushiense (Honda) Ohwi var. transiens (Hack.) Ohwi

イネ科(APG分類:イネ科)の多年草。稈(かん)は株立ちして斜上し、高さ0.4~1メートル。5~7月、稈の先に弓形に曲がる穂状花序をつける。小穂は柄がなく、数個の小花があり、花序の中軸の各節に互生する。護穎(ごえい)と内穎はほぼ同長。芒(のぎ)は外曲せず、長さが2~3センチメートルにもなる。日本全土の荒れ地道端に普通にみられ、朝鮮、中国に分布する。名は、この植物を使って人形のかもじを編んで遊んだことによる。近縁アオカモジグサE. racemifer (Steud.) Tzvelev〔A. ciriare (Trin.) Fr. var. minus (Miq.) Ohwi〕は内穎が護穎より明らかに長く、芒は乾くと外曲する。

[許 建 昌 2019年8月20日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カモジグサ」の意味・わかりやすい解説

カモジグサ
Agropyron kamoji; agropyron

イネ科の多年草。草地路傍に普通にみられる雑草。葉は裏面が上を向いている。線形,白緑色で長さ 18~25cm。花は5~7月頃,50~70cmの茎の先に 20cm余の花序が穂になって垂れる。色はやや紫色を帯びる。小穂は楕円形で単生,紫がかった白緑色で,長さ 1.5~2cmあり,5~8個の小花から成る。包穎は3~5脈で小花の3分の2の長さ。名前は女児が葉で人形のかもじをつくることに由来する。

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