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サフラン サフラン Crocus sativus; saffron

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

サフラン
サフラン
Crocus sativus; saffron

アヤメ科の多年草南ヨーロッパ原産で,薬用または観賞用に広く栽培されている。地下に球茎があり,葉は細長い線形で松葉状,花後に著しく生長する。 10~11月に,短い葉の間に淡紫色の優雅な花を開く。

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百科事典マイペディアの解説

サフラン

小アジア,ヨーロッパ原産のアヤメ科球根植物で,クロッカスの一種。花茎は高さ10cm内外。11月ころ茎頂に香りのよい径約3cmの淡紫色の美しい花をつける。葉は線形,花後伸びて長さ20cm〜30cmになる。
→関連項目サフランボル生薬染料作物パエーリャ

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栄養・生化学辞典の解説

サフラン

 [Crocus sativus].ユリ目アヤメ科サフラン属の植物で,花の柱頭を乾燥して食品や料理の際,色素として用いる.色素はクロシンとよばれるカロテノイド

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食の医学館の解説

さふらん【サフラン】

サフランはクロッカスの仲間で、スパイスとなるのは、その花1輪に1本しかない、雌しべの頭の部分。これを乾燥して用いるため、1kgのサフランを得るには、およそ17万本もの花が必要です。しかも、採集は開花時期の約2週間のあいだに、すべて手作業行われることから、もっとも高価なスパイスとなっています。
 歴史的にみても、古くから香料や染色剤として珍重されており、地中海周辺の古代文明の記録にも、その名前がしばしば登場するほど。また、医療の分野においても、通経剤、鎮痛剤など、おもに婦人病の薬として用いられてきました。
 サフランには、鎮痛、鎮静、月経の誘発、消化促進、健胃といった作用があります。具体的症状としては、生理不順、生理痛、腹痛などに有効。また、10本程度をコーヒーカップに入れ、熱湯を注いで煎(せん)じだしたものを空腹時に飲むと、気持ちの高ぶりを鎮め、イライラ、ストレス不眠症の解消に効果があります。
 ただし、子宮の動きを活発化する働きがあるので、妊娠中の女性は摂取量に注意。ふつうに料理へ用いる以上に、大量の摂取は避けたほうがいいでしょう。
〈南仏料理やスペイン料理には欠かせないスパイス〉
○食品としての使い方
 サフランには、鮮やかな黄色の発色性があります。また、その香りは独特で組み合わせる素材を選びますが、米や魚介類と好相性。とくに南仏料理やスペイン料理に好んで用いられ、パエリア、ブイヤベースリゾットには欠かせません。
 料理に使う場合、水か湯にひたし、色を浸出させてから料理に加えるのがポイント。こうするとムラなく色付けすることができます。なお、大量に使ったからといって、発色がよくなるわけではありません。
 サフランは高価なだけに、レシピの量をまもるのが賢明です。

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デジタル大辞泉プラスの解説

サフラン

アヤメ科の多年草。めしべは乾燥させ香辛料や生薬として使用される。鎮静鎮痛、強心作用がある。

サフラン

フランスのルノーが1992年から1998年まで製造、販売していた乗用車。5ドアの大型ハッチバック。

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世界大百科事典 第2版の解説

サフラン【saffron (crocus)】

観賞用に広く栽培されるアヤメ科の球根植物(イラスト)。もともとは薬用または染料用に利用するために栽培された。小アジアまたは南ヨーロッパの原産と考えられているが,確かなことはわからない。花茎は高さ10cm程度。茎頂に直径3cmほどの香りのよい淡紫色の花をつける。花期は10~11月。花被片は6枚。おしべは3本で,葯は大きく黄色でよく目だつ。花柱は3本に分かれ,鮮やかな橙赤色。赤い花柱,黄色の葯と淡紫色の花被のコントラストが美しい。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

サフラン
さふらん
saffron
[学]Crocus sativus L.

アヤメ科の多年草。地中海東部地域を原産とするが、ヨーロッパ中南部(とくにスペイン、フランス)、イラン、日本西部において栽培される。日本ではクロッカス属の秋咲き種をサフランといい、春咲き種をクロッカスとよんでいる。秋に地下の球茎(直径約3.5センチメートル)から1、2個の花をもつつぼみを出す。淡紫色の花は6個の花冠裂片をもち、3本の雄しべは花筒の上部につき、線形の外向葯(やく)をもつ。花冠の下部は15センチメートルの細長い花筒となり、中ほどまでは無色であるが、緑の部分は緑色の葉鞘(ようしょう)に包まれる。花柱は花筒よりも長い黄色の紐(ひも)状で、上部の3~3.5センチメートルは濃赤褐色で3裂し、先は漏斗(ろうと)状に広がって花外に垂れ下がる。先端の柱頭には鈍鋸歯(どんきょし)がありルーペで見ると乳頭状突起が認められる。暗緑色の葉は縁が巻いて細い線状となり、下面には白色葉脈がみえる。[長沢元夫]

利用

花柱上部の濃赤褐色の部分だけを集めてサフラン(中国では番紅花(ばんこうか))と称し、薬、染料に用いる。薬用成分は子宮に選択的に作用するため、月経困難、更年期障害、流産癖、子宮出血などに効果がある。また、黄色のカロチノイド色素を含有するので、食品、化粧品、薬品の着色料にも利用される。サフランは高価なために、よく偽品が出回ることがある。なお、江戸時代にはオランダ語のsaffraanを音訳して雑腹蘭の字をあてていた。
 香辛料として使用されるのは赤色の雌しべで、手で摘み取り、低温で乾燥して密閉貯蔵する。およそ1万5000個の花から約100グラムしかとれないため、香辛料のなかではもっとも高価なものである。香味は独特な刺激のある香りと快いほろ苦味があり、水に溶けると非常に延びのよい黄金色となる。料理にはおもにこの着色性が用いられ、ブイヤベースやスペインのパエリャ(米飯料理)、魚、貝、エビなどに、またビスケットやケーキの香味、色付けにも使われる。茶の葉のかわりにサフランを使ったサフランティーは、鮮やかな色と香りで愛飲されている。[齋藤 浩]

文化史

サフランの名はアラビア語で黄色い意味のsahafaranに由来する。古代には女性の眉(まゆ)染めやマニキュアに使われた。一方、古代ギリシアではクロコスkrokosとよび、内服液あるいは練り薬として、強精、利尿、子宮病などの薬に使用したことがディオスコリデスの『薬物誌』(1世紀)に出ている。クロコスは紐(ひも)の意味で、長い柱頭の形状に基づく。クロッカスはそれから派出したことばである。ギリシア時代には、薬効の弱いシチリア島やリビア産のものは、煮て野菜として食用にされた(『薬物誌』)。また、古代ギリシアやローマでは衣料を染めた。
 ギリシアの没落後は、アラビア人がヨーロッパで広く交易したため、サフランがクロッカスの名にとってかわった。日本に紹介した最初は平賀源内で、『物類品隲(ぶつるいひんしつ)』(1763刊)に夫藍(さふらん)と載せる。[湯浅浩史]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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世界大百科事典内のサフランの言及

【通経薬】より

…古くは多くの民間薬がこの目的に用いられた。腹部に充血を起こすような下剤や,刺激性の植物精油剤で,たとえばロカイ(ユリ科植物アロエの葉のエキス)やサフラン(アヤメ科植物)などがあったが,これらはしばしば人工流産を起こす目的でも用いられた。現在では,月経困難症について,その原因がいくつか明らかにされており,その原因を取り除くような治療が施される。…

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