サマランチ(英語表記)Samaranch, Juan António, marquis de Samaranch

  • 1920―2010
  • Juan Antonio Samaranch

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

[生]1920.7.17. バルセロナ
[没]2010.4.21. バルセロナ
第7代国際オリンピック委員会 IOC会長。バルセロナの裕福な織物業者の家に生まれ,地元の高等経営学院に学ぶ。企業に勤めたのち市政に携わり,1966年 IOC委員に就任。1977~80年ソビエト連邦駐在大使を務め,1980年モスクワで開かれた IOC総会で会長選挙に当選した。冷戦下の 1980年モスクワ・オリンピック競技大会,1984年ロサンゼルス・オリンピック競技大会で東西陣営相互のボイコットにゆれるなか,IOC自体が国際政治のなかに根を張り,ステータスを高めることが重要との考えに立ち,全世界の国内オリンピック委員会 NOCを飛び回り,先進国を中心とする各国の政治指導者にオリンピック競技大会への支持と協力を求めた。一方,ロサンゼルス大会がかつてない活発な民間資金の調達により財政的に大成功したのをうけ,北米,ヨーロッパ,日本に対するテレビ放映権料を引き上げ,業種を限定しつつ国際的大企業を IOCスポンサーとして取り込むなど財源確保に努めた。アマチュア規程がすでにオリンピック憲章から削除されていたこともあって,プロフェッショナルの選手にオリンピック参加を呼びかけ,オリンピックを「最高の選手による最高の大会」となったと宣言した。オリンピック競技種目にテニスを復活させたほか,卓球,野球,ビーチバレーボールマウンテンバイクトライアスロンなどを次々と採用,商業主義路線の推進によりオリンピックの規模を拡大した。2001年退任したが,終身名誉会長として活動した。オリンピックを社会的に最も重要なイベントの一つとした功績から,創設者ピエール・ド・クーベルタンに次ぐ IOC発展の貢献者と評する関係者も多い。1992年候爵に叙された。

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デジタル大辞泉の解説

[1920~2010]IOC(国際オリンピック委員会)第7代会長。バルセロナの生まれ。1966年よりIOC委員、1980年に会長就任。オリンピックの商業化とプロ化を推し進めたほか、冷戦時にはボイコット回避のため各国への働きかけに奔走するなど、外交的手腕を発揮した。2001年よりIOC終身名誉会長。

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百科事典マイペディアの解説

スペインの実業家官僚。1980年から2001年まで国際オリンピック委員会(IOC)の第7代会長を務めた。バルセロナの裕福な織物業者の家庭に生れる。スペインのスポーツ長官やオリンピック委員会会長などを務め,IOC会長となる。1984年のロサンゼルスオリンピックから本格的なスポンサー制度を導入,当時のアメリカのゴールデンタイムに合わせて莫大な放映権料を獲得した。一方,1992年のバルセロナオリンピックにおけるアメリカバスケットチーム〈ドリームチーム〉に代表されるようなプロ化を推進し,プロ選手へのオリンピックの門戸を開いた。かつてない強大な権力をもったIOC会長で,〈独裁者〉とも称された。オリンピックの商業化を推進し,IOCの財政改善などに功績を残したが,開催地をめぐる買収騒動やテレビ放送優先など,行き過ぎた商業路線を採ったとの批判もある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

国際オリンピック委員会(IOC)会長。スペイン・バルセロナ生まれ。スペイン国立高等経営学院卒業。1954年バルセロナ市議会議員。1956年全国スポーツ委員会メンバー。同年スペイン・オリンピック委員。1967~70年スペイン・オリンピック委員会会長を務める。1966年IOC委員となり、1970年理事、1974~78年副会長を経て、1980年第7代IOC会長に就任。政治的な影響が強かった1984年ロサンゼルス・オリンピックと1988年ソウル・オリンピックの危機を最小限のボイコットで乗り切り、外交手腕を発揮した。一方で、オリンピックの商業主義化を推し進めた。1999年にはオリンピック開催地の決定にあたり、IOC委員が開催立候補地の委員会から金品を受け取ったなどとされる、いわゆる「IOC疑惑」が発生、1999年12月に、不正の再発防止と信頼回復のための改革案を採択したものの、その独裁的、商業主義的手法に対する批判も多かった。1989年IOC会長に再選、1992年3選、1997年4選。2001年退任に伴い終身名誉会長となる。

[編集部]

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