サンタクルス(英語表記)Andrés Santa Cruz

デジタル大辞泉 「サンタクルス」の意味・読み・例文・類語

サンタ‐クルス(Santa Cruz)

ボリビア南東部の都市。サンタクルス県の県都で、事実上の首都ラパスに次いで同国第2の規模をもつ。近郊に日本人移住地がある。正式名称はサンタクルス‐デ‐ラ‐シエラ。

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精選版 日本国語大辞典 「サンタクルス」の意味・読み・例文・類語

サンタ‐クルス

  1. ( Santa Cruz )
  2. [ 一 ] スペイン領カナリア諸島のテネリフェ島北東岸にある港湾都市。正称はサンタ‐クルス‐デ‐テネリフェ。大西洋定期航路の寄港地。観光地。バナナ・タバコぶどう酒を輸出する。
  3. [ 二 ] カナリア諸島のパルマ島東岸にある港湾都市。正称はサンタ‐クルス‐デ‐ラ‐パルマ。
  4. [ 三 ] ボリビア東部、アマゾン川流域にある都市。サンタクルス州の州都。サトウキビ・コーヒーの集散地で石油・天然ガスを産する。

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改訂新版 世界大百科事典 「サンタクルス」の意味・わかりやすい解説

サンタ・クルス
Andrés Santa Cruz
生没年:1792-1865

ボリビアの軍人,政治家。スペイン人を父,インカ王族の末裔を母としてラ・パスに生まれ,最初スペイン軍に加わったが,1820年サン・マルティンの率いる独立派に捕らえられ,独立派に転向した。エクアドルペルー,ボリビアの独立戦争を指導。26年から27年までボリーバルの下でペルー大統領の代理をつとめ,29年に任期10年のボリビア大統領に選ばれた。彼は強権をもってボリビアの政治・経済の停滞を立て直し,進歩的政策によって国の繁栄をもたらした。当初から彼はペルーとボリビアをひとつにしようという目的をもっており,36年にペルーへの侵入が成功すると同時にペルー・ボリビア連合の成立を宣言した。しかし,39年にチリ軍にユンガイで敗れると,この連合も崩壊した。彼は大統領を辞職し,国を去り,それ以後はヨーロッパ諸国でボリビアの外交代表をつとめ,フランスのサン・ナゼールでその生涯を閉じた。今日でもボリビア人により〈大元帥〉として敬愛されている。
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サンタ・クルス
Santa Cruz

ボリビア最大の都市で,東部低地に位置する。同名州の州都。人口134万4626(2005)。1561年スペイン人が建設し,住民はアンダルシアからの移民が多かった。気候は亜熱帯に属する。長く孤絶状態にあったが,1952年のボリビア革命以後は東部低地の開発の中心地となっている。70年以後は,石油,ガス開発により油田地帯として急速な発展をとげた。その一方では,1950年代以降高地からの国内移住が進み,日本人をはじめとする外国人の移住地が開かれるとともに,後背地での綿花,サトウキビ,米,大豆などの農産物の生産が増大し,農産物の集散地,加工地としての重要性も大きくなった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サンタクルス」の意味・わかりやすい解説

サンタクルス
Santa Cruz

正式名称はサンタクルスデラシエラ Santa Cruz de la Sierra。ボリビア東部,サンタクルス県の県都。ラパスの東南東約 550km,アンデス山脈東麓の熱帯低地にあり,標高約 420m。 1560年代初めパラグアイからやってきたスペイン人により約 250km東,現在のサンホセデチキトスの地に建設されたが,インディオにたびたび攻撃されたため,95年アマゾン川水系ピライ川にのぞむ現在地に移転。 1950年コチャバンバからの道路が通じ,周辺での油田開発が進むとともに急速に発展,現在ラパスに次ぐ同国第2の大都市となっている。肥沃な農業地帯の中心地として,サトウキビ,米,コーヒー,タバコなどを集散するほか,市内にはたばこ,皮革製品,アルコール,製糖石油精製などの工業が立地。ガブリエル・レネ・モレノ大学 (1880) 所在地。現在道路のほか鉄道も通じ,ラパス,ブラジルアルゼンチンの各方面と連絡。国際空港もある。人口 69万 4616 (1992推計) 。

サンタ・クルス
Santa Cruz, Andrés

[生]1792.11.30. ラパス近郊
[没]1865.9.23. サンナゼル
ボリビアの軍人,政治家。スペイン軍人と先住民 (インディオ) とのメスティーソで,母親はインカ皇帝の末孫といわれる。スペイン軍に入隊し,ラテンアメリカの独立戦争勃発 (1810) 当初は王党軍に服属していたが,1820年独立派に転じた。 25年ボリビアの独立達成後共和国随一の実力者となり,29年大統領に就任。在職中,商業,手工業の発展,教育の普及,公共事業の拡充など進歩的政策を実施したが,生来の強烈な権力欲からペルー支配を画策し,35年ペルーの混乱に乗じて武力介入を行い,ペルー=ボリビア連合国を設立して大統領となった。しかし同年連合国の成立に反対するチリとの間に戦争が勃発し,39年ユンガイの戦いで敗れフランスに亡命した。ラテンアメリカの代表的カウディリョの一人。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サンタクルス」の意味・わかりやすい解説

サンタ・クルス(ボリビア)
さんたくるす
Santa Cruz

南アメリカ、ボリビア南東部の都市。サンタ・クルス州(人口202万9471。2001)の州都。コルディエラ・オリエンタル山脈の東に広がる広大な平原地域に位置する。人口113万5526(2001)。アマゾン川流域の湿地帯の中にあり雨期には泥の町となる。1561年に建設されて以来、長い間孤立状態にあったが、第二次世界大戦後、付近で油田が発見されてから急速に発展した。西方約300キロメートルのコチャバンバからの舗装道路が完成し、鉄道でパラグアイ川沿岸のブラジルのコルンバと連絡し、さらにサン・パウロに通じる。砂糖、米、コーヒーの集散地で、精糖、石油精製などの工場がある。また鉄鉱石とマンガンの鉱山が発見され開発計画が進んでいる。住民の大部分は白人で混血はごく少ない。歩道に屋根が雁木(がんぎ)状にせり出した町並みに特色がみられる。

[山本正三]


サンタ・クルス(スペイン領カナリア諸島)
さんたくるす
Santa Cruz de Tenerife

アフリカ北西岸、モロッコの西方約100キロメートルの大西洋上に浮かぶスペイン領カナリア諸島にある都市。テネリフェ島北東岸に位置する。サンタ・クルス・デ・テネリフェ県の県都。人口18万8477(2001)。同諸島最大の都市であり、最大の港。農産物の輸出港として、荷扱い量は年平均1300万トンに上る。大西洋定期航路の寄港地で、また遠洋漁業基地としても発展している。気候温暖なため観光地でもあり、空港の出入り客も多い。大石油精製所が立地する。16世紀初めには港(1494建設)をもつ一漁村にすぎなかったが、18~19世紀を通じて港湾機能の重要性が増し、1927年まで諸島全域の行政中心都市であった。16世紀の教会がある。

[田辺 裕・滝沢由美子]

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百科事典マイペディア 「サンタクルス」の意味・わかりやすい解説

サンタ・クルス

ボリビアの軍人,政治家。1820年サン・マルティンの独立軍に捕らえられ,王党派から転向。エクアドル,ペルー,ボリビアの独立戦争を指導。スクレ大統領の追放後,1829年ボリビア大統領に選ばれ,国内の秩序を確立。インカ王族の血をひく彼はインカ帝国の再建を夢み,1836年ペルーに侵入,ペルー・ボリビア連合を建設。1839年チリ軍に敗れて連合は崩壊,クーデタで亡命した。
→関連項目ボリビア

サンタ・クルス

ボリビア東部低地にある同国第2の都市。1561年にスペイン人が建設した町だが,長く孤絶状態にあった。1952年のボリビア革命後,東部低地の開発の中心となり,1970年代以降は油田地帯として急速に発展する一方,国内移住,日本人をはじめとする外国からの移住も進み,綿花,米,サトウキビなどの農産物も増加している。鉄道,道路,空路が通じる交通の要地。144万2000人(2012)。

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世界大百科事典(旧版)内のサンタクルスの言及

【ボリビア】より

…第2次大戦後の移住は53年に始まり,5800人にのぼる。サンタ・クルス州に集中し,3000人余りが米作を中心とする農業を行っている。アメリカ施政権期の沖縄から移住した人も多い。…

【ペルー・ボリビア連合】より

…1836年10月に宣言された南部および北部ペルーとボリビアからなる政治連合。S.ボリーバルの大連合の試みが挫折して以来もペルーとボリビアの統合の可能性はつねに残されていたが,リマにおけるカウディーリョの権力抗争のなかで,ボリビア大統領サンタ・クルスが,前年リマ政府を追われたオルベゴーソと同盟を結びボリビアの指導下に連邦を樹立した。しかし両国がいかに歴史的共通点を有していたとしても,連邦による中央アンデス全体への版図拡大は,とくにチリの安全にとって脅威であり,チリ政府はリマ政府との合意により軍隊を派遣,翌39年1月,リマの北ユンガイでガマラA.Gamarra(1785‐1841)らのペルー軍とともに連邦軍と衝突した。…

【ボリビア】より

…第2次大戦後の移住は53年に始まり,5800人にのぼる。サンタ・クルス州に集中し,3000人余りが米作を中心とする農業を行っている。アメリカ施政権期の沖縄から移住した人も多い。…

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