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シェンゲン協定 シェンゲンきょうてい

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

シェンゲン協定
シェンゲンきょうてい

1990年6月 19日にルクセンブルクのシェンゲン村近くの船上で,フランス西ドイツベネルックス3国の5ヵ国が調印した,各国民の自由移動に関する協定。ヨーロッパ共同体 ECの市場統合に伴う国境管理廃止を先取りした内容をもつ。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵2015の解説

シェンゲン協定

ヨーロッパ諸国間で出入国審査なしに自由に国境を越えることを認める協定。2015年12月現在、26カ国が締結。欧州連合(EU)加盟国のうち英国、ルーマニアブルガリアアイルランドキプロスクロアチアを除く22カ国のほか、ノルウェースイスアイスランドリヒテンシュタインのEU非加盟国4国が加わっている。
1985年にルクセンブルクのシェンゲンで、同国とベルギーオランダ、フランス、西ドイツの5カ国が、共通国境管理の段階的撤廃に合意して締結した協定がシェンゲン協定である。90年には、域内の出入国管理の廃止に向けて、どのような施策が必要かを定めた「シェンゲン実施協定」に調印しており、一般的には両協定をシェンゲン協定と呼ぶ。この実施により、95年に締結国間では道路や鉄道、空港でのパスポート検査が廃止されるなど域内国境検査を撤廃し、一方で域外国境の共通管理を整備した。また、不法移民への対処や国境を越える犯罪に対する加盟国間の協力について取り決めた。協定の締結国は広がり、97年には、両協定が他の関連法規と共に、EUの改正基本条約であるアムステルダム条約に組み入れられ、99年に発効した。これにより、当初は欧州共同体(EC)の枠外で取り決められた「人の移動の自由」がEUの法体系に組み込まれることになった。
EU加盟国の中にも、複数国間の自由な移動には麻薬やテロ対策から反対する国もあり、協定締結国はこうした対策を強化してきた。しかし、2005年にロンドン同時爆破テロ事件が起き、中東や北アフリカからの移民・難民が急増したことにより、国境審査の復活を主張する声も根強い。15年11月のパリ同時多発テロ事件後には、EU域内に入る際の国境管理を強化することで合意した。

(原田英美 ライター/2016年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

シェンゲン協定

欧州連合(EU)の経済統合の土台であり、人や物、サービス、資本などの移動の自由を定める。域内では、パスポート検査など国境審査を廃止している。現在、EU加盟国28カ国のうち英国などを除く22カ国が協定に参加。EU加盟国以外ではスイスやノルウェーなど4カ国が加わっている。

(2016-01-25 朝日新聞 朝刊 1外報)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉の解説

シェンゲン‐きょうてい〔‐ケフテイ〕【シェンゲン協定】

Schengen agreement》欧州諸国間において人の移動の自由を保障する協定。加盟国域内での出入国審査を廃止し、域外からの入国者には共通査証(シェンゲン査証)を発給。国境を越えた警察・司法協力を行う。名称は、1985年にルクセンブルクのシェンゲンで調印されたことから。フランス・ドイツ・ベルギー・オランダ・ルクセンブルクの5か国により発足し、1999年発効のアムステルダム条約によってEUの法的枠組みに組み込まれた。→シェンゲン圏

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百科事典マイペディアの解説

シェンゲン協定【シェンゲンきょうてい】

国境での検問廃止をめざして,西ドイツ,フランス,オランダ,ベルギー,ルクセンブルクの5ヵ国によって1990年に調印された協定。名称は,この5国の国境に近いルクセンブルクの小村シェンゲンSchengenにちなむ。

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世界大百科事典 第2版の解説

シェンゲンきょうてい【シェンゲン協定 Schengen Agreements】

ドイツ,フランス,ベネルクス3国によって相互の域内国境での検問撤廃を目指して1985年6月に調印された協定,および90年6月に調印された補足協定をいう。その名称は,調印式が行われたドイツ,フランス,ルクセンブルクの3国の国境が交わるルクセンブルクの小村に由来している。その後,イタリアスペインポルトガルギリシアオーストリアが協定に加わった。なお,域内国境での検問廃止は,EU(ヨーロッパ連合)が1985年6月に採択した域内市場完成計画に内包された人の自由移動の一部であるが,イギリスの反対にあってEU全体のものとならなかった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

シェンゲン協定
しぇんげんきょうてい
Schengen Agreement

出入国審査なしで国境を自由に往来できることを定めたヨーロッパ国家間の協定。協定加盟国の間では、国境での旅券(パスポート)や税関審査の必要がない。1985年、ドイツとフランスの国境近くにあるルクセンブルクのシェンゲン村で協定に署名されたことから、この名がある。1999年に発効したアムステルダム条約により、シェンゲン協定はヨーロッパ連合(EU)の法規となった。シェンゲン協定に加盟している国の領域をシェンゲン領域シェンゲン圏Schengen Areaとよぶ。
 2013年10月末時点で、協定に加盟し、発効している国は以下のとおりである。アイスランド、イタリア、エストニア、オーストリア、オランダ、ギリシア、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、マルタ、ラトビア、リトアニア、リヒテンシュタイン、ルクセンブルク。キプロス、ブルガリア、ルーマニアは、協定には加盟しているが未発効である。EU非加盟のアイスランド、スイス、ノルウェー、リヒテンシュタインも参加している。また、モナコ、バチカン、サンマリノは、協定には加盟していないが、モナコはフランスに、バチカンとサンマリノはイタリアに国境を開放しており、実質的にシェンゲン領域となっている。一方、EU加盟国のアイルランド、イギリスは同協定の領域に入っておらず、2013年にEUに加盟したクロアチアも未加盟である。
 シェンゲン協定は、1985年に署名されたシェンゲン協定Schengen Agreementと、1990年に結ばれたシェンゲン実施協定Convention Implementing the Schengen Agreementからなる。しかし協定調印後、東西冷戦が終結し東欧からの難民流入が相次いだため、実際の協定実施は1995年3月までずれ込んだ。加盟国は人の自由な移動を認める一方で、国境を越える犯罪に対し加盟国の司法・警察が協力することでも合意しており、指名手配者、テロリスト、盗難車、偽造旅券、偽札、麻薬などに関する共通情報システムをもっている。シェンゲン領域でないアイルランドとイギリスも、警察等での協力は行っている。なおサッカーのワールドカップ、主要国首脳会議などの大規模イベントの開催時やテロリズムの発生時などに、国境検査が実施されることがある。また「アラブの春」の影響で北アフリカから大量の移民がヨーロッパへ流入するおそれがあるため、2011年6月、EUは緊急時に限って、シェンゲン協定の一部を見直し、国境審査を再開することで合意した。[編集部]

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