日本大百科全書(ニッポニカ) 「シャンカール」の意味・わかりやすい解説
シャンカール(Ravi Shankar)
しゃんかーる
Ravi Shankar
(1920―2012)
インドのシタール奏者、作曲家。ワーラーナシ生まれ。10歳のころから長兄ウダイの率いるインド舞踊音楽団に参加しパリに渡る。1938年帰国し、シタールをアラウディーン・ハーンに師事。1944年ごろからシタール奏者として活動。1949~1956年全インド放送の音楽ディレクターに就任。その後ヨーロッパ、アメリカなどで公演を行い、1958年(昭和33)初来日。以後、リーズ音楽祭などに出演し世界的成功を収める。またメニューインやビートルズのジョージ・ハリスンに大きな影響を与える。1963年ムンバイ(ボンベイ)にキンナラ音楽院を創設、1967年ロサンゼルスに同分校を創設し、インド音楽の普及に貢献する。映画『大地の歌』の作曲・演奏も手がけ、1998年にはジョージ・ハリスン編集による『Raga Mala』をリリース。スウェーデン王立音楽アカデミーからPOLAR MUSIC PRIZEを受賞するなど活発な音楽活動を続けた。
[柴田典子]
『ラビ・シャンカル著、小泉文夫訳『わが人生 わが音楽』(1972・音楽之友社)』
シャンカール(Uday Shankar)
しゃんかーる
Uday Shankar
(1900―1977)
インドの舞踊家。ウダイプルに生まれる。インド古典舞踊カタックを少し知っている程度の素人にすぎなかったが、イギリス留学中にアンナ・パブロワの作品『ラダ・クリシュナ』の振付け・演出を手伝ったことから欧米に知られるようになった。インド古典舞踊を基礎にして新作をつくり続け、『労働と機械』では、労働者の階級闘争を群舞を用いたりして表現し、古典舞踊とはまったく異なった作風をみせた。1938年アルモラに「インド文化センター」を設立、全インドの古典舞踊の教師を招いたりして研究にあたり、世界を巡演してインド舞踊を国際的に高めた。ラビ・シャンカールは彼の弟である。
[市川 雅]