ドイツの画家。ミュンヘンのアカデミーに学んで,ベックリンやレンバハFranz Seraph von Lenbachの影響を受けたのち,象徴主義に向かう。1892年,ウーデらとミュンヘン分離派(ゼツェッシオン)を創設してドイツ美術界に大きな波紋を投げかけ,95年アカデミー教授に就任。作品の主題は古典古代やキリスト教の主題を独自に解釈し直したもので,様式的には写実を基本としつつ,大胆な装飾的効果をも取り入れ,ユーゲントシュティール(アール・ヌーボー)の傾向を示す。アカデミーにおける彼の弟子にはカンディンスキーやP.クレーなどがいる。みずから設計した自邸(1898)は,現在美術館としてこの画家のほとんどの作品を収蔵している。
執筆者:有川 治男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…作品の傾向や芸術理念は各作家や地域によってさまざまであったが,いずれも19世紀末から20世紀初頭にかけて世評の支持も受け,ドイツ圏で主導的役割を果たした。 最初のものは1892年に設立されたミュンヘン・ゼツェッシオンで,その中心となったのは象徴主義の画家F.vonシュトゥックおよび自然主義の画家トリューブナーWilhelm Trübner(1851‐1917)であった。次いで97年にウィーン・ゼツェッシオンがG.クリムトを中心として創設されたが,これはJ.M.オルブリヒ,J.ホフマンら建築家,工芸家をも多く含み,オーストリアにおけるユーゲントシュティール(アール・ヌーボー)の中心となった。…
※「シュトゥック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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