ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シュレシンジャー」の意味・わかりやすい解説
シュレシンジャー
Schlesinger, John
[没]2003.7.25. アメリカ合衆国,カリフォルニア,パームスプリングズ
イギリスの映画監督。フルネーム John Richard Schlesinger。母国イギリスやアメリカ合衆国を舞台に,緻密な語り口を特徴とする幅広い作品群を手がけた。ユダヤ系医師の家庭に生まれ,オックスフォード大学在学中から演劇活動を開始。1957年ドキュメンタリー映画や BBCのテレビシリーズで監督としての第一歩を踏み出した。1961年,ロンドンのウォータールー駅の 24時間を描いた短編ドキュメンタリー "Terminus"で,ベネチア国際映画祭短編グランプリを受賞。『或る種の愛情』A Kind of Loving(1962)で長編デビューしたのち,ジュリー・クリスティ主演の『ダーリング』Darling(1965)などの作品を発表,イギリスを代表する映画監督となった。イギリス社会派リアリズムの新世代を担う監督の一人として,複雑な人間模様,とりわけさまざまな愛のかたちをドキュメンタリータッチで描き出した。アメリカでのデビュー作『真夜中のカーボーイ』Midnight Cowboy(1969)でアカデミー賞作品賞および監督賞を受賞。それ以後は『マラソンマン』Marathon Man(1976)に代表されるハリウッド大作を手がける一方で,『ヤンクス』Yanks(1979)のようなイギリスの小規模映画も撮り続けた。晩年の作品に『2番目に幸せなこと』The Next Best Thing(2000)がある。1970年大英帝国三等勲功章 CBEを授与された。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報