各種の泳法,泳技を組み合わせ,技術の正確さや表現の美しさを競う水上スポーツ。
イギリスやドイツなどで,1920年ころからアーティスティックスイミングartistic swimmingという名称で浮身と泳ぎを組み合わせ,音楽に合わせたマスゲーム風の群泳が行われていた。それがカナダを経てアメリカでウォーターバレエwater balletの名で発展,34年シカゴの万国博覧会のときエキジビションとして公開され,それを契機に各地で水中ショーとして実演されるようになった。そしてウォーターバレエとスポーツ的なリズミックスイミングrhythmic swimmingとに分かれていった。現在のシンクロナイズドスイミングを育て上げたのはアメリカのオルセンN.Orsen夫人らで,42年ころから競技化され,46年に全米選手権大会が行われた。さらに,56年オリンピック・メルボルン大会における国際水泳連盟(略称,FINA)の総会で公認種目となり,一段と普及発展した。
日本には,1954年7月オルセン夫人の率いるアメリカチームによって紹介された。56年日本水泳連盟にシンクロ委員会が新設され,57年日本選手権シンクロナイズドスイミング競技会が東京目白運動場プールで開催された。
国際的には,73年の第1回世界水泳選手権大会(ベオグラード)から,女子のみのソロ,デュエット,チームの3種目が行われている。日本選手は,第1回大会で蓮見純子がソロで3位に入賞したのをはじめ,デュエットで双子の姉妹藤原昌子・育子が3位,チームも3位と活躍した。日本はその後の世界選手権大会でもつねに上位を占めている。オリンピックでは,ロサンゼルス,ソウル,バルセロナ大会でソロとデュエットが公認種目として採用され,96年のアトランタ大会ではチームのみが採用されたが,2000年のシドニー大会以降はデュエットとチームの2種目が採用され,現在に至っている。アトランタ大会まではアメリカ,カナダ,日本が世界の3強であったが,1997年以降ロシア,フランス,中国などが台頭。近年は実力伯仲の時代となっている。
ソロ(1人で演技),デュエット(2人),チーム(4~8人)の3種目がある。競技にはフリールーティン(音楽に合わせて,自由な振付で泳ぐもの)とフィギュア(シンクロ競技の基本の型を競うもの),そして1995年の競技規則から加えられたテクニカルルーティン(音楽に合わせて規定要素を泳ぐもの)がある。現在オリンピックや世界選手権はフリールーティンとテクニカルルーティンの2競技のみで行っているが,そのほかの国際大会ではフィギュア競技も実施している。大会によって実施する競技が異なるため採点方法も一定ではないが,フリールーティン競技の実施は決められている。
執筆者:石井 宏
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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(吉田章 筑波大学教授 / 2007年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
「アーティスティックスイミング」のページをご覧ください。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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