シンク・タンク(読み)しんくたんく(英語表記)think tank

翻訳|think tank

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シンク・タンク」の意味・わかりやすい解説

シンク・タンク
しんくたんく
think tank

政府の政策決定や企業の経営戦略決定のための助言を行う調査研究機関。第二次世界大戦後アメリカ合衆国で急激に成長したが、本格的なシンク・タンクは1948年の空軍援助によるランド・コーポレーションの設立以来のことで、いわゆる政策科学ないし社会工学とよばれる手法などを用い、政策分析や委託研究を行っている。最近では、民主党系のブルッキングス研究所や共和党系のアメリカン・エンタープライズ公共政策研究所、フーバー研究所、ジョージタウン大学戦略研究センター、ヘリティジ財団、スタンフォード研究所、その他ウィルソン・センター、ハドソン研究所、アスペン人文研究所などが有名である。わが国では1974年(昭和49)に総合研究開発機構が認可法人として発足し、研究と助成を行っている。おもなシンク・タンクは、野村総合研究所、三菱(みつびし)総合研究所、政策科学研究所、社会工学研究所などである。

[川野秀之]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シンク・タンク」の意味・わかりやすい解説

シンク・タンク
think tank

頭脳集団。社会科学,自然科学を問わず,全専門分野の異質の頭脳を結集して,隣接学問領域にまたがる複雑な課題につき,学際的,システム的接近で調査,研究,開発を行い,政府,公共機関,団体,企業の意思決定に必要な戦略や戦術となるべき情報やシステムを提供する機関。第2次世界大戦中からアメリカでその構想が発展し,人工衛星システムが空軍の援助資金で開発された。代表的なものはランド研究所,バテル記念研究所,スタンフォード研究所など。 1970年頃から日本でも急速に関心が高まり,数多くの機関が設立された。 80年代後半にはシステム開発企業と合併して,数千人単位の大研究機関が続出したが,シンク・タンク部門は最大の野村総合研究所,三菱総合研究所でも 500~800人程度で,バテル記念研究所の 6000人に比べると小規模である。また国と財界の協力により,総合研究開発機構も設立された。

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