山川 世界史小辞典 改訂新版 「シヴァージー」の解説
シヴァージー
Shivaji Bhonsle
1627~80(在位1674~80)
インドのマラーター王国の建国者。デカン高原西部のマラーター・カーストの出身で,父はデカンのムスリム政権ビージャプル王国に仕える武将だった。デカンのムスリム諸政権とムガル帝国の反目に乗じて勢力を伸ばし,ムガル帝国と戦った。マラーター農民を軍事的に組織し,軽騎兵隊を用いた機動的な戦法で周辺の勢力を打ち破り,重装備のムガル軍を翻弄した。1666年,アウラングゼーブ帝の捕虜となるが,脱出。有力なマラーターの家系を糾合し,74年,クシャトリヤとして即位儀礼を行った。シヴァージーの王国には,マラーターに加えて,顧問などとしてバラモンが,軍人としてムスリムが加わっていた。後世,マラーターの英雄として崇拝され,ナショナリズムのシンボルの一つとなった。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報