シーアン(西安)特別市(読み)シーアン(英語表記)Xi'an

翻訳|Xi'an

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シーアン(西安)特別市」の意味・わかりやすい解説

シーアン(西安)〔特別市〕
シーアン
Xi'an

中国西北地方,シェンシー (陝西) 省の省都。ウェイ (渭) 河平原の中部にあり,南にチンリン (秦嶺) 山脈を控え,北にウェイ河を望む。シーアン市7つの市区とチャンアン (長安) 県など6県から成る。肥沃でかつ要害の地であるウェイ河平原の中心都市として,また華北,華中と西北地方,内モンゴル (蒙古) 高原と西南地方を結ぶ交通の要衝として,歴史的に重要な役割を果し,現在も西北地方最大の都市である。西周の鎬京であり,前漢,隋,唐では長安と呼ばれて国都であった。唐代には東西 10km,南北 8kmの城壁に囲まれ,人口は 100万を数えた。以後,戦乱などで荒廃し,規模も縮小したが,地方行政の中心地で,明・清代にはシェンシー省の省都。 1932年以来西京と呼ばれていたが,43年現在名になった。市街地は明代末の城壁内を中心とし,古都面影を残す。人民共和国成立後,東郊と西郊に工業地区が建設され,鉄鋼,アルミニウム精錬,綿紡織染色コンビナート,毛紡織工場をはじめ電機,化学,機械,薬品,精密機器,航空機,食品,日用雑貨などの工場や火力発電所がある。各時代の寺院,廟,塔などが,多くは後代の再建,修復ながら残っている。旧孔子廟は歴史博物館となり,各時代の文物のほか石碑を集めた西安碑林を蔵する。第2次国共合作で設けられた八路軍弁事処の建物など革命史跡もある。郊外には新石器時代の半坡遺跡,秦の始皇帝や漢の武帝の陵墓 (→始皇陵 , 茂陵 ) ,秦,漢,唐など各時代の宮殿跡,僧玄奘がインドから持帰った仏典を納めた慈恩寺大雁塔などがある。シーペイ (西北) 大学をはじめ,教育文化機関も多い。ロンハイ (隴海) 鉄道が通る。人口 617万 9552,うち市区人口 287万 2558 (1990) 。

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