日本大百科全書(ニッポニカ) 「スギ科」の意味・わかりやすい解説
スギ科
すぎか
[学] Taxodiaceae
裸子植物。ショウハク綱の常緑または落葉高木。葉は線形または鱗片(りんぺん)状で螺旋(らせん)配列するか、互生まれに対生し、1本の目だつ脈がある。雌雄同株。雄の球花は多数の雄しべからなり、各雄しべは2~9個の葯(やく)がある。葯には気嚢(きのう)がない。雌の球花は球形で、多数のなかば合着する包鱗と種鱗からなり、種鱗の内側に2~5個の胚珠(はいしゅ)がある。球果は球形、木質で堅く、鱗片内に狭い翼をもつ種子が多数ある。東アジアに5属7種、北アメリカに3属5種、タスマニアに1属3種が知られる。新生代第三紀に繁栄した植物群で、現在では各地に孤立して生育し、衰退しつつある。スギは日本の固有種で、比較的原始的な性質をもち、世界的には珍しい植物である。北アメリカ原産のヌマスギや中国原産のコウヨウザンが公園樹として栽培される。生きた化石植物として知られるメタセコイア、世界一の巨大な樹木として知られるセコイア、セコイアデンドロンなどがある。分子系統に基づく分類ではヒノキ科とされる。
[山崎 敬 2018年6月19日]