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スペシャルオリンピックス Special Olympics

翻訳|Special Olympics

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

スペシャルオリンピックス
Special Olympics

知的障害のある人々にスポーツのトレーニングをする機会と競技会を提供する国際的活動。オリンピック競技大会で行なわれるような 20以上の競技を実施,8歳以上の人が参加できる。1968年活動開始,1988年国際オリンピック委員会 IOCから公認された。本部はアメリカ合衆国のワシントンD.C.。1962年6月,ジョン・F.ケネディの妹ユニス・ケネディ・シュライバーは,知的発達障害のある子供たちのため,夏期のデーキャンプ(日帰り野外活動)を自宅で始めた。その後もアメリカとカナダの数十ヵ所で同様のキャンプを創設し,運動競技で好成績の者を表彰するようになった。1968年7月,シュライバーはイリノイ州シカゴの球技場ソルジャーフィールドで「スペシャルオリンピックス」を開催した。約 1000人を集めたこの競技会の成功をうけ,同 1968年12月にスペシャルオリンピックス財団(のちのスペシャルオリンピックス国際本部)が設立され,アメリカ,カナダ,フランスに支部が設けられた。1977年2月5~11日,コロラド州スチームボートスプリングズで第1回スペシャルオリンピックス冬季国際大会が開催された。以降は約 200ヵ国に支部が創設され,各地で年間約 2万回開かれる競技会には 100万人以上の選手が参加する。競技会の頂点は隔年開催のスペシャルオリンピックス世界大会で,夏と冬に交互に 9日間ずつ行なわれる。

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知恵蔵の解説

スペシャルオリンピックス

知的障害者のためにスポーツプログラムを提供する国際的なスポーツ組織。故ケネディ元大統領の妹、ユニス・ケネディ・シュライバーが、自宅の庭で知的障害者のためのデイキャンプを行ったのが始まり。国際オリンピック委員会(IOC)から「オリンピック」の名称使用を正式に認められている。2006年現在150以上の国と地域で約170万人のアスリート(選手)と約50万人のボランティアが活動。各国・各地域で年間を通して継続的に行われるスポーツプログラムと、4年に1度開かれる国際大会が主要な柱となっている。いつもどこかで活動しているということから、「オリンピックス」と複数形で表記。最初の世界大会は1968年にシカゴ(米)で開催。05年2月26日〜3月5日には、長野県で冬季世界大会が行われた。現在の日本の国内組織は94年に設立、本部は熊本市。39都道府県で約5000人のアスリートと1万4000人以上のボランティアが活動を担っている。

(藤田紀昭 日本福祉大学教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について | 情報

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

スペシャルオリンピックス

故ケネディ米大統領の妹ユニス・ケネディ・シュライバー氏が1962年、知的障害のある人たちにスポーツを楽しむ機会をと、自宅の庭を開放して開いたデイキャンプが始まり。知的障害のある人たちの健康増進や自立支援を目的として、68年に米国で第1回国際大会が開催された。オリンピックと同様に夏と冬の世界大会が4年ごとにある。 来年2月の「第6回SO日本冬季ナショナルゲーム・新潟」は、2017年にオーストリアで開かれる冬季世界大会の代表選考を兼ねている。

(2015-12-03 朝日新聞 朝刊 新潟全県・2地方)

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デジタル大辞泉の解説

スペシャル‐オリンピックス(Special Olympics)

知的発育障害者のためのスポーツ大会。1975年のアメリカ大会以来4年に一度開催。知能指数75以下の18歳以上の男女に出場資格がある。SO

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百科事典マイペディアの解説

スペシャルオリンピックス

知的発達障害者のためにさまざまなスポーツ・プログラムを提供する国際的な組織。日常的なスポーツ・トレーニングと,その成果の発表場所である競技会を提供する。国際オリンピック委員会(IOC)から〈オリンピック〉の名称使用を正式に認められている。
→関連項目パラリンピック

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大辞林 第三版の解説

スペシャルオリンピックス【Special Olympics】

知的障害者のためのスポーツ競技会やトレーニング-プログラムを提供する国際ボランティア組織。また、その活動。国際大会(ワールド-ゲーム)は夏冬ともオリンピックの前年に開催される。1968年設立。 SO 。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

スペシャルオリンピックス
すぺしゃるおりんぴっくす
Special Olympics

知的障害のある人が日常的にスポーツを行ったり、競技会に参加したりする機会を提供している国際組織。略称SO。国際本部はアメリカのワシントンDCにある。日常的に世界のさまざまな地域でプログラムが展開されていることから、複数形でよばれている。
 1962年、アメリカ大統領ケネディの妹ユーニス・ケネディ・シュライバーEunice Kennedy Shriver(1921―2009)は知的障害のある子供たちが、スポーツや身体活動においてどのような能力があるかを知るために、アメリカのメリーランド州にある自宅の庭でデイキャンプを実施した。これがスペシャルオリンピックスの起源である。その後も同様のキャンプを実施するなかで、知的障害のある子供たちがさまざまなスポーツやレクリエーションプログラムに参加し、そのことが身体面や精神面に好影響を及ぼしていることが明らかになった。ケネディ財団は、アメリカ国内やカナダなどで実施される知的障害のある子供のデイキャンプ、スポーツプログラムや講習会などに助成を行っている。
 1968年7月、第1回スペシャルオリンピックス国際大会がアメリカのイリノイ州シカゴで行われた。アメリカの26州とカナダから、1000人以上のアスリート(選手のこと。スペシャルオリンピックスでの呼称)が集まり、陸上競技、フロアホッケー、水泳競技に参加した。同年12月には非営利組織「スペシャルオリンピックス」国際本部が設立された。1988年、同本部と国際オリンピック委員会(IOC)は、「オリンピック」の名称使用や相互の活動に関する議定書を交わした。
 2015年時点で、世界大会はオリンピックのない年に夏季大会と冬季大会が2年ごとに交互に開催されている。夏季大会では、水泳競技、陸上競技、バドミントン、バスケットボール、ボッチャ(的玉にボールを投げるなどして、いかに近づけるかを競う)、ボウリング、馬術、サッカー、ゴルフ、体操競技、ソフトボール、卓球、テニス、バレーボール、ローラースケートなどが行われている。冬季大会ではアルペンスキー、クロスカントリースキー、スノーボード、スノーシューイング、スピードスケート、フィギュアスケート、フロアホッケーなどが実施されている。スノーシューイングは、雪の上でも歩けるようくふうされた靴(スノーシュー)をはいて雪上で競走するもの。日本が世界大会に初めて参加したのは1983年の第6回ルイジアナ大会であった。2005年(平成17)には長野県で第8回冬季国際大会が開催され、84の国と地域から2575人の選手役員が参加した。
 国内では1980年(昭和55)に日本スペシャルオリンピック委員会が創設され、国際スペシャルオリンピックスへの選手派遣や国内大会を実施していたが、資金難等により1992年(平成4)に解散した。その後、1994年に細川佳代子(1942― )を会長としてスペシャルオリンピックス日本が新たに設立された。2001年に特定非営利活動法人となり、2012年4月には公益財団法人化された。全国各地で活動が展開され、約8000人のアスリートと1万2000人近いボランティアが活動している。全国大会のナショナルゲームは2年ごとに夏季大会と冬季大会が交互に開催されている。
 スペシャルオリンピックスでは「知的障害のある人たちに年間を通じて、オリンピック競技種目に準じたさまざまなスポーツトレーニングと競技の場を提供し、参加したアスリートが健康を増進し、勇気をふるい、喜びを感じ、家族や他のアスリートそして地域の人々と、才能や技能そして友情を分かちあう機会を継続的に提供すること」を使命としている。したがって、各地域で日常的に実施されているプログラムがもっとも重要で、国内大会や世界大会はあくまでその成果発表の場と位置づけられている。高度なパフォーマンスを目ざして競いあうことを目的としたパラリンピックとはこの点が異なる。世界170か国以上で、440万人以上のアスリートとそれを支える100万人以上のボランティアが活動している。
 日常的なプログラムは通常、年間を通して週1回、2時間程度、8週間を一つの単位として世界各地で行われている。大会ではすべてのアスリートに勝利するチャンスを提供するため、年齢、性別、過去の記録や予選の記録によってアスリートを組分けするディビジョニングという方法をとっている。ディビジョニングによって、競技の公平性が保たれ、すべての知的障害者にスポーツトレーニングと競技の機会を提供するというスペシャルオリンピックスの精神が奨励されるほか、どのアスリートにも勝者になれるチャンスが与えられるという利点が生まれる。たとえば、競技会の予選で走った選手はその記録によって組分けされ、全員が決勝も走る。表彰では各組の成績優勝者を含めたすべてのアスリートが表彰される。
 なお、スペシャルオリンピックスは知的障害のあるアスリートと、障害のないパートナーがいっしょに練習や競技を行うユニファイドスポーツとよばれる活動も行っている。これはアスリートやパートナーがスポーツをする機会を増やすこと、両者の意識面でのバリアフリー化を図ることが目的である。[藤田紀昭]
『太宰由紀子編著『ゆっくりゆっくり笑顔になりたい――知的発達障害のある人にスポーツの場を提供するスペシャルオリンピックスという活動』(2003・スキージャーナル) ▽遠藤雅子著『スペシャルオリンピックス』(集英社新書)』

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