パフォーマンス(その他表記)performance

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デジタル大辞泉 「パフォーマンス」の意味・読み・例文・類語

パフォーマンス(performance)

演劇・音楽・舞踊などを上演すること。また、その芸・演技。
身体を媒介とした芸術表現。演劇などのほか、特に現代美術での表現をさしていう。「前衛書道家によるパフォーマンス
人目を引くためにする行為。「街頭宣伝のパフォーマンス
性能。機能。また、効率。「旧型でもパフォーマンスはいい」「コストパフォーマンス

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精選版 日本国語大辞典 「パフォーマンス」の意味・読み・例文・類語

パフォーマンス

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] performance )
  2. 演劇・音楽・舞踊などを、上演すること。特に、身体を用いて表現を行なう芸術形態をいう。また、一般に、身体を用いた表現。
    1. [初出の実例]「野外パーフォンマンスなどをやる」(出典:欧米印象記(1910)〈中村春雨〉プリンストン雑記)
  3. 現代美術で、作者の制作行為の過程、また、行為そのものを作品とするもの。
  4. 生成文法で、話し手の言語能力のさまざまな表われをいう。言語運用
  5. 人目を引くためにとる行動。目立つようにことさらにする行為。「人気取りのパフォーマンスにすぎない」
  6. 仕事、事業、また競技などでの、実績。成果。
  7. 能力。性能。また、効率。「旧型でもパフォーマンスはいい」

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改訂新版 世界大百科事典 「パフォーマンス」の意味・わかりやすい解説

パフォーマンス
performance

〈演奏〉〈上演〉〈実行〉〈性能〉などの通常の意味とは別に,既存のジャンルや枠組みから外れた芸術や社会行為を指す非常に幅広い概念。〈パフォーミング・アーツ〉(舞台芸術,上演芸術)から区別された意味での〈パフォーマンス・アート〉は,1950~60年代の〈ハプニング〉や〈イベント〉の延長線上にあり,今日ではこれらを含めて〈パフォーマンス〉ないしは〈パフォーマンス・アート〉と呼ぶことが多い。ハプニングやイベントは,既成の様式やジャンルを解体する〈反芸術〉であり,1910年代のイタリア未来派ダダの影響を受けている。そこでは,まず,演劇,音楽,美術といった固定したジャンルが成立せず,〈芸術〉と〈非芸術〉(日常)との間に引かれていた一線も撤去される。パフォーマンスを事実上基礎づけることになったジョン・ケージに例をとれば,彼の活動を単に音楽の分野(偶然性の音楽)に区分けすることはできない。それは,ときには〈演劇〉的であり,〈日常行為〉的であり,また〈宗教〉的ですらある。《4分33秒》(ニューヨーク州ウッドストック,1952)は,〈無音〉から成る〈音楽作品〉で,そのパフォーマーは,3回腕を動かすだけであり,観客は自分が耳にしたすべての音を〈音楽〉として受け取ることになる。また,ケージの僚友マース・カニンガムMerce Cunninghamも,歩いたり,立ったり,跳んだりする日常的な身体アクションのすべてを〈舞踏〉とみなすことを提唱し,実践した。〈作者〉やパフォーマーと〈観客〉との間の区別が超えられたのもハプニングにおいてであった。ジャーナリズムの反響によって一躍〈ハプニング〉という言葉を広めることになったアラン・カプローの《六つの部分から成る18のハプニング》(1959)では,ニューヨークのルーベン画廊にしつらえられた三つの部屋を,招かれた〈観客〉が歩き回ったり,着席したりすることが重要部分を占めていた。

 〈脱領域〉的な性格のほかにパフォーマンスがハプニングやイベントから引き継いだもののうち,最も重要なものは,一回性や偶然性の尊重である。作品=オブジェとして固定されたり,記録されたりすることは,パフォーマンスにとって第二次的なことであり,70年代後半になってビデオが普及して,パフォーマンスの記録が容易になり,それまで限られた〈観客〉にしか触れることができなかったパフォーマンスがビデオを通じて一般化したとき,パフォーマンスの一回性に執着する人々のなかには〈パフォーマンスの死〉を語る者もいた。一回性や偶然性への執着は,身体的なアクションの重視へ赴かせる。パフォーマンスには,ダンス的なものや身体が直接かかわるものが多いのもこのためで,その極端な例としては,生命を賭けたパフォーマンスも出現する。クリス・バーデンChris Burden(1946- )の《シューティング・ピース》(カリフォルニア州ベニス,1971)では,バーデン自身が友人に銃で自分の腕を撃たせ,《デッドマン》(ロサンゼルス,1972)では,彼は南京袋にくるまって車道に寝転び,車にひかれる危険に身をさらした。

 ダダがそうであったように,1960年代のパフォーマンスは,芸術家たちの非常に柔軟な相互関係によって成り立っていた。パフォーマンスを行うグループや場所は流動的であり,61年にジョージ・マチューナスGeorge Maciunasがパフォーマンスの専門誌を作るために考え出した〈フルクサスFluxus〉(雑誌は実現しなかった)は,やがて当時のパフォーマーを横断的に結びつける国際的な組織の名になったが,ラテン語で〈流れ〉を意味するfluxusと英語のflux us(われわれを融合する)とをかけたこの語は,当時のパフォーマーの流動的な関係にふさわしいものであった。このことは,ニューヨーク美術界の刺激を受けて活気づいていた〈読売アンデパンダン展〉(日本アンデパンダン展)出品作家たちの活動と,ケージに学んだ一柳慧(いちやなぎとし)や小野洋子らの媒介でしだいに日本にも形成されはじめたさまざまな芸術グループにもあてはまる。ともに1960年創立の〈グループ音楽〉(小杉武久刀根康尚,塩見千枝子ほか),〈ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ〉(篠原有司男(うしお),吉村益信,風倉省作ほか),62年10月の車中パフォーマンス《山手線事件》や63年5月の街頭パフォーマンス《第一次ミキサー計画》のメンバーによる〈ハイレッド・センター〉(赤瀬川原平,中西夏之,高松次郎ほか)などは,互いに相互関係をもっただけではなく,〈暗黒舞踏〉の土方巽(ひじかたたつみ)や実験映画グループ〈ヴァン映画科学研究所〉(足立正生ほか)などとも,また海外の〈フルクサス〉とも横断的な関係をもった。

 1960年代の日本のパフォーマンス活動が与えた影響には計り知れないものがあり,その遺産を演劇や映画に活用した芸術家の一人として寺山修司がいる。70年代の日本のパフォーマンス活動そのものは,田中泯(みん)らの〈舞踏〉を除くと,全体として活気に乏しかったが,84年にナムジュン・パイクNam Jun Paik(1932-2006)とヨゼフ・ボイス(いずれも〈フルクサス〉のメンバー),より若い世代のローリー・アンダーソンLaurie Anderson(1947- )が来日し,〈パフォーマンス・ブーム〉が再燃しはじめ,ビデオやコンピューターの電子テクノロジーを駆使した新しいパフォーマンスも試みられるようになった。電子テクノロジーによって身体環境が攻囲され,身体的な一回性や偶然性が〈プログラム〉化されかねない状況のなかで,80年代のパフォーマンスが電子テクノロジーを用いながらそうした一回性を再活性化できるかどうかは,まさに今後の課題である。
前衛劇 →ハプニング
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「パフォーマンス」の意味・わかりやすい解説

パフォーマンス
ぱふぉーまんす
performance

本来の語義は「完全に遂行すること」であり、心理学用語としては、潜在的な心的諸能力が現実の場面で発揮され、行為が「遂行」されるという意味で用いられ、言語学では言語能力に基づいて言語活動がなされる際の「言語運用」という意味をもつ。しかし現在一般的な用法は、20世紀の芸術において、諸ジャンルと横断的にかかわる独特の行為の芸術をさす。この場合、パフォーマンス・アートとよばれることも多い。ただし既成の上演芸術(パフォーミング・アーツperforming arts)とは異なる。すなわち、行為が上演されるとはいえ、固有の演劇的世界のなかで、ある人物に扮(ふん)して演技が行われるのではなく、演技者自身が呈示されるし、劇的意味をもった行為ではなく、劇的形式をもたない、独立した身体的動作のみが呈示される。したがって劇的行為を含むオペラとも異なり、単に動作を伴った音響生産行為が呈示されることも多い。いずれの場合にも視覚・聴覚・運動感覚に同時に働きかける点に大きな特徴がある。したがって、ポピュラー音楽の上演の際、単なる演奏だけでなく、レーザー光線や照明、歌手や奏者の舞台への登場の仕方や動作などが演出された場合もパフォーマンスとよばれる。ただし狭義には、歌や演奏に伴うものではなく、それ自体独立した形態として行われるものをさす。

[庄野 進]

概念の成立

1960年代に行われたハプニングhappeningやイベントeventもパフォーマンスに包摂されるが、パフォーマンスということば自体が包括概念として一般的に用いられるようになったのは、70年代末ごろからである。しかしその先駆形態は、20世紀初頭にまでさかのぼることができる。1910年代にイタリアやロシアの未来主義者たちは、自分たちの思想を効果的に表現するために、しばしば挑発的なデモンストレーションを行ったが、それらはもっとも早いパフォーマンスの実行であったと考えられる。続いて第一次世界大戦後のヨーロッパ各地で展開されたダダイストたちの激しい挑発的行動や、シュルレアリストたちの活動のなかにも同様の傾向がみられる。また、バウハウスのO・シュレンマーOskar Schlemmer(1888―1943)らは、音と光と色彩の抽象的な構成を上演する活動を行っていた。しかし、本格的な展開は、60年代のフルクサスFLUXUS・グループの活動による。70年代初めに 一時停滞期があるものの、80年代にかけては、L・アンダーソンLaurie Anderson(1947― )ら、ポピュラー音楽のシーンにもこの傾向が広がり、また、テクノロジーと結合するなど新たな展開をみせている。

[庄野 進]

『R・ゴールドバーグ著、中原佑介訳『パフォーマンス』(1982・リブロポート)』

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知恵蔵 「パフォーマンス」の解説

パフォーマンス

一般用語としては、「演技」「演奏」「上演」などを意味するが、現代芸術の用語としては、既成の芸術の枠組みをはずれて脱領域的に行われる、身体の行為を伴う芸術表現のこと。主として表現の領域に身体性や時間を導入しようとする美術の分野で発想されたジャンルで、もともと「演ずること」を中心としてきた演劇・舞踊などの上演芸術(パフォーミング・アーツ)とは異なる。日本でも1980年代以降、パパ・タラフマラやダムタイプのようなパフォーマンス集団が活躍している。東京都は2002年10月より、路上、広場などで、演奏や曲芸などのパフォーマンスを行う人たちを審査の上、ヘブンアーティストとしてライセンスを与え、都内各所での活動を認める事業を開始した。

(扇田昭彦 演劇評論家 / 2007年)


パフォーマンス

絵画や彫刻などに対して、美術家の身体を用い、時間的な経過と共に行われる表現行為。1960年前後からアラン・カプロー(2006年死去)が「ハプニング」という言葉を使って、参加者を巻き込んだ表現を行った。また前衛音楽家のジョン・ケージは作品に「イベント」という言葉を使って、芸術の常識を破ろうとした。70年代からは主にパフォーマンスと呼ばれるようになった。肉体を物質として扱うもの、双方向的なコミュニケーションを求めるもの、儀式的・演劇的なもの、私的でエンターテインメント的要素の強いもの、ビデオやデジタルメディアを使ったものなど多様な可能性をもった表現へと発展している。

(山盛英司 朝日新聞記者 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パフォーマンス」の意味・わかりやすい解説

パフォーマンス
performance

本来は「上演」の意であるが,近年は演劇を中心に,美術・音楽・ダンス・映像などの諸分野にわたり,偶然性と表現の一回性を重んじる芸術活動をさす。その源流は,20世紀初頭の未来派,ダダイズムなど多岐にわたるが,その後モダン・ダンスの影響などを経て,アメリカでは 1950年代にハプニングが展開し,60年代にはリビング・シアターなどのオフ・ブロードウェー演劇が興隆した。

パフォーマンス[言語学]
パフォーマンス[げんごがく]

「コンペテンス」のページをご覧ください。

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パラグライダー用語辞典 「パフォーマンス」の解説

パフォーマンス

1パフォーマンスを見せてくれる。  招待選手などがフライトの際にその状況説明に使われる。 ここでは「演技」と訳す。 2機体(グライダー)のパフォーマンス。  その機体がもっている諸性能の実力。 ここでは性能・実力と訳す。 3AFNORのパフォーマンス  フランスの認証テストでのレベル。  詳しくはAFNOR参照 

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DBM用語辞典 「パフォーマンス」の解説

パフォーマンス【performance】

9Pのひとつで、マーケティング用語としては、販売する製品・商品の性能・価値を意味する。他社製品と比較して自社製品・商品はどのような性能・価値をもっているか、その優位性で競合製品に勝てるか、顧客(市場)にどのように強調し、伝えるべきかを検討すること。

出典 (株)ジェリコ・コンサルティングDBM用語辞典について 情報

流通用語辞典 「パフォーマンス」の解説

パフォーマンス【performance】

9Pのひとつで、マーケティング用語としては、販売する製品・商品の性能・価値を意味する。他社製品と比較して自社製品・商品はどのような性能・価値をもっているか、その優位性で競合製品に勝てるか、顧客(市場)にどのように強調し、伝えるべきかを検討すること。

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デジタル大辞泉プラス 「パフォーマンス」の解説

パフォーマンス

1970年製作のイギリス映画。原題《Performance》。監督:ドナルド・キャメル、ニコラス・ローグ、出演:ジェームズ・フォックス、ミック・ジャガー、アニタ・パレンバーグほか。『パフォーマンス/青春の罠』の邦題もある。

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パソコンで困ったときに開く本 「パフォーマンス」の解説

パフォーマンス

パソコンやソフトの性能のことです。ウィンドウズ7や最初の8では、コントロールパネルの「パフォーマンスの情報とツール」でパソコンの性能を調べることができました。
⇨コントロールパネル

出典 (株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本パソコンで困ったときに開く本について 情報

百科事典マイペディア 「パフォーマンス」の意味・わかりやすい解説

パフォーマンス

ハプニング

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音楽用語ダス 「パフォーマンス」の解説

パフォーマンス[performance]

観客を前にした、あらゆる生の表現活動を指す。演奏ばかりでなく、身体を使った表現方法なら何でもこれに当てはまる。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「パフォーマンス」の解説

パフォーマンス

コンピューターやシステム、ソフトウェアの性能や処理能力のこと。

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投資信託の用語集 「パフォーマンス」の解説

パフォーマンス


運用成績のこと。

出典 (社)投資信託協会投資信託の用語集について 情報

世界大百科事典(旧版)内のパフォーマンスの言及

【聖婚】より

…〈聖なる結婚〉の意で,男神と女神の結婚,あるいは神と人間との結婚のこと。ギリシア語のヒエロス・ガモスhieros gamos,それに由来する英語ヒエロガミーhierogamyなどの訳語であり,〈神婚〉ともいう。神話や伝説に多数語られており,儀礼を伴っていることも少なくない。ギリシア神話の主神ゼウスとその正妻ヘラとの結婚は,古代ギリシアでは特別に重要視され,各地で祭式として繰り返し記念され,結婚の神聖と意義を強調する機能を果たした。…

【聖婚】より

…宗教学的には,大地の豊穣を確実にするための象徴儀礼であり,その背後には,地母神に対する崇拝が存在していた。聖婚儀礼は,小アジアから東部地中海沿岸一帯に広く分布していたが,その中心地はキプロス島の南西端のパフォスPaphosにあるアスタルテ(ギリシアのアフロディテと同一視された)の神殿であった。この地域に住む未婚女性は,結婚前に神殿に詣で,一夜パフォスの王の前に聖なる花嫁として処女を捧げる習俗に従っていた。…

※「パフォーマンス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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