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スポーツ医学 スポーツいがく sport medicine

7件 の用語解説(スポーツ医学の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

スポーツ医学
スポーツいがく
sport medicine

体育および競技を対象とする,医学の応用部門の一つ。体育の身体に及ぼす影響と競技者の健康について研究が行われる。前者は保健教育の性格が強いが,後者の場合は医学の参加のあり方によって各種の立場が生れる。

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デジタル大辞泉の解説

スポーツ‐いがく【スポーツ医学】

スポーツが身体に及ぼす影響を医学的立場から研究する学問。競技者の健康管理スポーツによる健康維持などについて研究される。運動医学。

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百科事典マイペディアの解説

スポーツ医学【スポーツいがく】

スポーツに関する主として生理学的な基礎研究と,選手などの健康管理を主内容とする医学の一分野。前者は生理学・形態学的に運動のメカニズムを研究し,代謝・栄養を調べ,これに基づいて合理的なトレーニング,記録の向上などが図られる。
→関連項目障害者スポーツ

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家庭医学館の解説

すぽーついがく【スポーツ医学】

 けが(外傷・障害)は、スポーツによるものも、スポーツ以外の事故によるものも変わりはありません。
 しかし、スポーツの場合、選手として高度の競技を行なうためのけががありますし、種目によって特有のけがもあります。このため、スポーツのけがには、格別の配慮がなされるようになってきました。
 また、スポーツを行なうには、心臓、呼吸器、筋力などの全身が十分な力を発揮しなければなりません。そのためには、基礎的な体力をつけ、敏捷性(びんしょうせい)も養わなければなりませんが、それを支える栄養摂取、精神面での支援、病気・けがの予防と治療が必要になります。
 これを支えるのが医・科学的なサポートであり、スポーツ医学です。
 とはいえ、スポーツ医学は、高度の競技のためだけのものではありません。
 一般的な市民スポーツ、学校スポーツにも必要であるばかりではなく、病気の治療やリハビリテーションに利用されるスポーツ医学もあります。
 スポーツ医学は、あらゆる人々がスポーツ(身体活動)を行ない、健康な生活を推進し、QOL(生活の質、生命の質)を高めるためにあるのです。

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世界大百科事典 第2版の解説

スポーツいがく【スポーツ医学 sports medicine】

スポーツに関連した人体の生理や疾病,傷害を扱う医学の一分野。近年はスポーツ選手の外傷の治療・予防のみでなく,一般の人々の運動不足,栄養の過誤,精神緊張などから起こる健康体力の低下やいろいろな疾病障害の予防・治療・リハビリテーションなどについても扱われる。
[スポーツ医学の歴史]
 医療とスポーツなどの身体活動の結びつきは古く,紀元前3000‐前2000年ころ中国やインドでは,体操とくに呼吸体操が身体機能の向上や障害の予防・治療に用いられていた。

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大辞林 第三版の解説

スポーツいがく【スポーツ医学】

スポーツが人体の発達に及ぼす影響を研究し、健康の増進・競技者の健康管理などを講じる学問。運動生理学・スポーツ臨床医学などに分かれる。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

スポーツ医学
すぽーついがく
sports medicine

日常生活のなかでの歩行から体育やスポーツ競技までを含めた広い意味での身体活動を、医学の面から研究しようとする学問。いいかえれば、疾病の治療や予防、健康の維持・増進、競技力の向上など、すべての身体運動を対象とした総合的な科学といえる。[小野三嗣・依田珠江]

歴史的背景

紀元前3000年ころから、古代中国やインドにおいては、呼吸法やマッサージとあわせた体操が用いられており、これがもつ治療効果についての記載も残されたといわれている。また、古代ギリシアでは、古代オリンピックが盛んになるにつれて体力を養成するための食物や栄養についての考察、疲労や競技による機能障害を回復するための治療法の研究が進められ、スポーツと医学の接点がもたれたとされる。さらに、ギリシアにおけるこのような体力増強や健康維持のための試行錯誤的な研究は、オリンピックのためのみではなく、戦争における兵力や産業のための労働力の養成など、種々の目的にも用いられたという。
 やがて、こうした研究は西洋医学にも受け継がれ、イギリスのフラーF. Fuller(1670―1706)は、1705年に『医学的運動論』を出し、治療医学の領域における身体運動の重要性を説いた。同じく18世紀、ドイツのF・ホフマンは、治療法としての身体運動には適切な運動量があるということを述べている。やがて19世紀の初めにデンマークの体操家ナハテガルF. Nachtegall(1777―1847)の体操理論が展開され、これは、スウェーデンのリングによるスウェーデン体操やデンマークのブックN. Bukh(1880―1950)によるデンマーク体操に発展する。これらは、当時の戦争などのために、限られた施設しかなかった状況下における体力養成をねらったものであった。やがて、臨床医学的分野からは運動中の生体反応である代謝機能などの運動生理の研究が展開され、高所への順応と登山の影響、筋疲労の研究などの知見が発表されるようになる。
 1896年に近代オリンピックが開催されて以降、オリンピック種目を中心として、スポーツ医学は大きく発展していく。当初は選手のけがの手当てなどというように、健康よりはむしろ競技に伴う対症療法的援助にすぎなかったが、やがて、体力に関する医学的な助言のほか、練習中や競技中に障害が生じたとき、競技を継続させるための特別な処置を講ずる方法の研究など、医学のなかでも特殊性をもった分野を占めるようになった。第3回オリンピック・セントルイス大会(1904)では、マラソンレース中に、熱射病にかかり倒れる選手が続出したため、それ以降の大会においては医師が不可欠な存在となった。第7回アントワープ大会(1920)では、アメリカ選手団のなかに公式のチーム・ドクターが6名参加していた。続く第8回パリ大会(1924)になると、アメリカは医師3名、看護婦1名、トレーナー9名、マッサージ師6名を選手団に同行させた。これ以降、スポーツ場面における特殊な処置の必要性から、他の諸国も専門医を置くようになっていく。さらに、スポーツの技術水準が高くなるにつれて、経験による練習方法だけではなく、医学的、生理学的裏づけのある練習方法も必要となってきた。このような諸事情を背景にして、やがて国際スポーツ医学会が成立することとなった。[小野三嗣・依田珠江]

スポーツ医学会の歩み

1928年に第2回冬季オリンピック大会がサン・モリッツで行われた際、国際スポーツ医学協会Association Internationale Mdico-Sportive(AIMSと略す)が結成され、同年、国際スポーツ医学会がアムステルダムで開催された。2年後の1930年の第2回総会においてAIMSは国際スポーツ医学連盟Fdration Internationale Mdico-Sportive et Scientifique(FIMSと略す)と改称され、現在のFdration Internationale de Mdecine du Sportに至っている。第11回オリンピック・ベルリン大会(1936)のときに開催されたFIMSの総会では九つの専門分科会が設定されたが、その後の第二次世界大戦のため立ち消えとなった。しかし、第15回オリンピック・ヘルシンキ大会(1952)のFIMS総会において、次の7項目を推進することが議決された。すなわち、(1)スポーツなどの教育的意義、(2)科学的研究の必要性、(3)科学的知識の多方面への応用、(4)医学教育課程にスポーツ医学を専門科目として取り入れること、(5)スポーツマンと一般体育者に共通する医学的処置、(6)スポーツ医学における理論と実際、(7)スポーツ医学者、生理学者と他分野の研究者たちとの知識交換、の7項目である。なお、国際スポーツ医学会は、夏季オリンピックの年と、冬季オリンピックの年、つまり2年ごとに開催されることとなっている。
 日本におけるスポーツ医学のおこりは、1924年(大正13)に国立体育研究所が設立されたことに始まり、その趣旨は国民体力の増強に置かれていた。1933年(昭和8)になると運動医事相談部が開かれ、スポーツマンの健康管理に対する配慮が払われるようになった。また、1938年の第10回日本医学会総会においては、臨時分科会として体育医学会が開催された。第二次世界大戦後は1946年(昭和21)の第1回国民体育大会をきっかけとして、日本体力医学会が発足し、3年後の1949年、第1回日本体力医学会が公衆衛生院で開かれた。そして、翌1950年、日本体力医学会は、日本医学会の第39分科会として正式に認められることとなる。また日本体育協会に1947年に開設された体育医事相談所は、その後の日本のトップアスリートの競技力向上と国民スポーツ振興の推進のためのスポーツ医・科学専門委員会へとつながっていった。なお、日本体力医学会は、1954年からFIMSに加盟している。[小野三嗣・依田珠江]

今日のスポーツ医学

現在のスポーツ医学は、外傷や疾病の治療や予防に対しての運動療法とリハビリテーションなどのスポーツを用いて臨床医学的な貢献を目ざす面と、競技スポーツとレクリエーションスポーツを対象とした科学データをもとに医学的サポートを行う面をもつ。スポーツ医学には身体活動が刺激となって生じる体内の変化をとらえることを目的とする運動生理学分野があることから、身体の恒常性を維持する機能を解明するための基礎生理学と深くかかわっている。高地トレーニングや暑熱、寒冷環境下でのスポーツなどにおいて、スポーツ医学領域からのデータは身体にかかる負担や適応の過程などといった情報をもたらすという点で非常に重要な役割を担っている。またバイオメカニクスbiomechanics(生体力学)、栄養学などのさまざまな分野もスポーツ医学にかかわっている。
 スポーツ医学の領域の一つ、練習の負荷強度、1回の練習時間内に繰り返される回数や時間の長さ(練習量)、決められた練習を週何回やるか(頻度)といった要素を計画して、それぞれの個人に適したものにすることを運動処方という。もちろん、このようにして組み立てられた運動がその人にどのような影響を与えるかを確かめつつ、次の段階の運動処方がつくられていく。運動量が多すぎたり、休養が十分でないと、かえって体に障害が生じることはいうまでもない。なお、性別、年齢や生活習慣にあった運動処方という意味では、身体障害者に対する運動も含まれる。また、発育段階の子供が無理な投げ方を続けたために野球肘(ひじ)になったり、日常生活で運動習慣のなかった者が急に運動をしたために捻挫(ねんざ)や骨折、筋や腱(けん)の断裂などの障害をおこすことがあるが、これらを予防するように指導・助言することもたいせつなスポーツ医学の分野である。また、多くの大学がスポーツ科学に関連した学部や学科、専攻を新設している。その学部、学科にはスポーツ内科、スポーツ外科、スポーツ整形外科の専門教員を擁しているところも少なくない。スポーツ科学領域におけるスポーツ医学分野の重要性が高まったことが背景にある。[小野三嗣・依田珠江]

スポーツ医学の発展

スポーツ医学の目覚ましい発展は、ME(医用工学)の急速な進歩に負うところが大きい。心電図や筋電図はもとより、超音波診断装置、MRIやコンピュータを導入した機器類、多くの微量のホルモンや物質を短時間に多量に分析する機器類なくしてはスポーツ医学の発展はありえなかったのである。
 さらにスポーツ医学は前述の運動生理学やバイオメカニクスといった従来からその一分野を構成していたものから、スポーツ時に生体内でおこっているさまざまな分子・細胞レベルの反応を探る生化学・分子生物学・細胞生物学まで範囲が広がっている。さらに遺伝子研究の目覚ましい発展の影響がスポーツ科学界にも波及し、DNAレベルでの研究も盛んに行われるようになっている。1998年、イギリスの科学誌に「優れた登山家にはアンギオテンシン変換酵素遺伝子型を有する人が多い」という報告が掲載された。近年、疾病の原因遺伝子をみつけるためのDNA研究が盛んに行われているが、その波はスポーツ科学界にも押し寄せている。前述の研究報告をきっかけに、遺伝子多型や遺伝子変異についての研究がスポーツ科学の研究テーマの一つとして脚光を浴びるようになった。2001年には、身体運動能力に関連した約50種の遺伝子多型や遺伝子座を示した遺伝子地図の第1報が、そして翌2002年には第2報が報告されている。これらの情報をもとに遺伝子解析を行うことで、練習内容や「向いているスポーツ」をみつけようという試みもビジネスとして一般的に行われている。
 また、現在行われているドーピング法はおもに化学合成された薬物を生体内に取り込む方法、それらの禁止薬物が検出されるのを科学的に妨害するマスキング剤の使用、あるいは成長ホルモン、エリスロポエチンなどの遺伝子改変技術によって生体外で製造されたタンパクを生体内に注入する方法などがある。そしてさらに競技力にかかわる遺伝子をヒトに導入する遺伝子ドーピングの実用化の可能性がでてきた。スポーツ界ではドーピングの摘発、使用の禁止徹底に尽力している。[小野三嗣・依田珠江]

健康増進へのスポーツ医学の応用

スポーツ医学をより多くの人々の健康増進に役だてるために、さまざまな取組みが行われている。2000年(平成12)、厚生省(現、厚生労働省)は「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」という政策を打ち出し、生活習慣病およびその原因となる生活習慣などの課題について「9分野(栄養・食生活、身体活動と運動、休養・こころの健康づくり、たばこ、アルコール、歯の健康、糖尿病、循環器病、癌(がん))」で、2010年をめどとした基本方針や目標、対策などを設定した。この健康日本21の推進は各地方自治体で行われた。身体活動・運動の推進は、日常の生活における身体活動に対する意識、運動習慣などについて成人および高齢者に分けて目標を設定し、生活習慣病の発生を予防し、運動が健康づくりの重要な要素であることを広めようというもので、スポーツ医学的な見地から数値でその効果や目標などを示し、この運動をサポートした。2013年には健康日本21(第二次)がスタートし、第一次の最終評価をもとに、改めて2022年までの目標を定め、活動が推進されている。さらに、病後社会生活に復帰するための機能回復といったリハビリテーションの分野も、遺伝を含めた先天的要因、そして自然環境や社会的環境の影響など後天的な生活歴に支配的影響を受ける個人差をふまえ、スポーツ医学がこれから深くかかわっていくべきものである。とくに注目されているのが、「ロコモティブシンドローム(ロコモティブ症候群、運動器症候群ともいう)」である。これは運動器の障害による移動機能の低下した状態を表すことばで、日本整形外科学会が2007年に提唱した。この運動器の障害には運動器自体の疾患と加齢による運動機能の低下が関与しているため、スポーツ医学分野の重要な課題の一つとなっている。
 このほかにもスポーツ医学の観点からスポーツ用装具の開発に生体力学的検討を加えたり、装具をつけた状態での生体の生理反応を測定し、安全性およびパフォーマンスに対する影響を明らかにするという他の分野との共同での取組みなどが現在のスポーツ医学の領域になる。またスポーツ選手の咬合(こうごう)と身体運動機能の関係などを扱うスポーツ歯科医学、スポーツと免疫能の関係を研究するスポーツ免疫学が目覚ましい発展を遂げている。[小野三嗣・依田珠江]
『石河利寛・松井秀治編『スポーツ医学』改訂第6版(1978・杏林書院) ▽阿部正和・小野三嗣編『運動療法』(1978・朝倉書店) ▽小野三嗣著『日本における体力医学研究の歴史と展望』(1991・大修館書店) ▽黒田善雄・小野三嗣監修、福田市蔵他編『スポーツ医学マニュアル』(1995・診断と治療社) ▽池上晴夫著『スポーツ医学2 健康と運動』(2000・朝倉書店) ▽大野秀樹・及川恒之・石井直方編『Q&A 運動と遺伝』(2001・大修館書店) ▽天羽敬祐・渡辺剛監修『わかりやすいスポーツ医科学』(2002・総合医学社) ▽日本体育協会指導者育成専門委員会スポーツドクター部会監修『スポーツ医学研修ハンドブック』全2冊・第2版(2011、2012・文光堂) ▽川田茂雄著『スポーツ医科学トピックス1』(2014・ブックハウス・エイチディ) ▽日本整形外科学会ロコモチャレンジ!推進協議会編『ロコモティブシンドローム(ロコモパンフレット)』(2014・日本整形外科学会)』

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