デンマーク体操(読み)でんまーくたいそう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「デンマーク体操」の意味・わかりやすい解説

デンマーク体操
でんまーくたいそう

デンマーク体操は、その父ともよばれるナハテガル(1777―1847)によって始められ、ブック(1880―1950)が大成した。すなわち、最初はドイツ体操に出発し、途中からスウェーデン体操の影響を受け、それぞれの長所を取り入れ欠点を補充した優れた民衆体操である。ブックは、農村青年の身体の矯正・改善・発育促進のため、体操の目的を柔軟性筋力巧緻(こうち)性の養成の三つにおいて、徒手体操を中心とし、これを補足するために必要な器械体操を採用した。

 その特徴は、(1)全身の均整的な柔軟性を得るために、振動形式による最大限の運動を要求した、(2)運動が練習者の能力に従って漸進的に向上するように段階を設けた、(3)一連の徒手体操の間に、唱歌遊戯やダンスのステップを取り入れた、(4)体操が連続的に行われ、しかも全運動がリズミカルに実施できるよう、号令のかけ方、誘導運動の挿入がくふうされている、などである。

[上迫忠夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デンマーク体操」の意味・わかりやすい解説

デンマーク体操
デンマークたいそう
Dänische Turnen

F.ナハテガルによって提唱され,N.ブックが完成したデンマークの体操。姿勢矯正,発育促進を底として,柔軟性,巧緻性,筋力の養成を目標とした徒手体操が中心である。ドイツ体操スウェーデン体操の長所を取り入れ,さらに流れるようなリズム感を重視したもので,現在の徒手体操,手具体操の源流となっている。日本へは 1931年,ブックの来日により導入された。

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