スモレンスク(英語表記)Smolensk

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

スモレンスク
Smolensk

ロシア西部,スモレンスク州州都モスクワの西南西約 400kmにあり,ドネプル川上流部にのぞむ。ロシア最古の都市の一つに数えられ,863年から記録に現れる。ドネプル川と西ドビナ川を結ぶ交易路と,モスクワ地方と西ヨーロッパを結ぶ交通路とを押える要地にあったため,12世紀にスモレンスク公国の首都となり,交易中心地として繁栄したが,その繁栄のゆえに周辺諸国からしばしば攻撃の対象となった。特に 13世紀から数世紀間リトアニア,ポーランドとモスクワ公国との間で争奪が行われ,1654年ロシアの支配下に入った。市内およびその周辺では 1812年ナポレオン軍と,1941,43年ドイツ軍との間で激戦が行われ,市街は大きな被害を受けた。その後復旧し,12世紀建造のペテロ・パウロ聖堂やスビルスカヤ聖堂も再建された。 16~17世紀には市は手工業,商業の大中心地となっていたが,現在は機械 (道路建設用機械,電機) ,繊維,縫製,食品 (製粉,食肉) などの工業が発達する工業都市として,また医科,教育,獣医科の各大学,人形劇場などのある文化・教育の中心地として発展している。鉄道の分岐点で,河港もある。人口 32万6863(2010)。

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デジタル大辞泉の解説

スモレンスク(Smolensk/Смоленск)

ロシア連邦西部、スモレンスク州の工業都市。同州の州都。モスクワの西約360キロメートル、ドニエプル川上流に位置する。古くから交通および戦略上の要地として知られる。ロシアポーランド戦争、ナポレオン遠征、第二次大戦でのドイツ軍などによりたびたび破壊された。旧市街には12世紀半ばの聖ペテロパウロ聖堂や17世紀初頭のクレムリン城壁などが残っている。

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百科事典マイペディアの解説

スモレンスク

ロシア西部,ドニエプル川上流に臨む都市。同名州の州都。鉄道の要地。機械,織物,食品などの工業が行われる。863年から知られるロシア最古の都市の一つで,中世には商業の中心として発達。長くロシア,ポーランドの争奪の的であったが,1667年ロシア領となった。1812年のナポレオン軍侵入の際や1941年のナチス・ドイツ軍侵入の際の〈スモレンスク会戦〉など,つねにロシアの西の防衛拠点でありつづけた。宇宙飛行士ガガーリンの生地としても知られる。31万5029人(2009)。

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世界大百科事典 第2版の解説

スモレンスク【Smolensk】

ロシア連邦西部,同名州の州都。人口35万2000(1993)。863年から知られるロシア最古の都市の一つ。モスクワとミンスクを結ぶ線上にある鉄道交通の要所。882年よりキエフ公国の版図に入り,12世紀にはスモレンスク公国の首都となった。1404年から約1世紀の間リトアニア大公国の領土となったが,1514年モスクワ大公国によって併合された。17世紀初頭の〈動乱時代(スムータ)〉にポーランド軍に占領されたが,1667年の近郊アンドルソボの休戦条約の結果,ロシアに帰属した。

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大辞林 第三版の解説

スモレンスク【Smolensk】

ロシア連邦、モスクワの南西方に位置する都市。麻織物・機械・食品などの工業が盛ん。モスクワとワルシャワを結ぶ鉄道交通の要地で、ナポレオン戦争や第二次大戦における激戦地。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

スモレンスク
すもれんすく
Смоленск Smolensk

ロシア連邦西部、スモレンスク州の州都。ドニエプル川上流の丘陵地帯にあり、市街は両岸に広がっている。人口35万5700(1999)。ドニエプル川下流、西ドビナ川、ボルガ川の各流域を結ぶのに便利な位置にあるため古くから開け、町の起源はキエフ時代(9~12世紀)にさかのぼる。戦略上の要地として、17世紀初頭のポーランドとの戦争、1812年のナポレオン軍との戦争、第二次世界大戦における1941年のドイツ軍との戦闘など、しばしば外国勢力の攻撃の的となり、被害を受けた。とくに第二次世界大戦中の41年7月から43年9月までドイツ軍に占領され、市街のほとんどが破壊された。このときドイツ軍に押収された文書で、のちに共産党独裁下の統治が研究された。戦後復興し、現在は発展著しく、州の工業、文化の中心地となっている。主要な工業は機械、食品、繊維、建設資材工業である。また、医科、体育、教育の各大学、ドラマ劇場、人形劇場、郷土博物館などの教育・文化施設がある。旧市街はドニエプル川左岸の丘陵にあり、12世紀建造のペテロ・パウロ聖堂、ビルスカヤ聖堂などの歴史的建造物のほか、行政・文化施設がある。右岸には工業企業が多い。緑地も多く、ロシアで美しい町の一つといわれている。市はまた交通の要地で、鉄道、ハイウェーの分岐点であり、河港をもっている。[外川継男・中村泰三]

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