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固定スリットと走行するフィルム,あるいは走査スリットと固定フィルムなどの組合せにより,スリットを通過した細長い画像の集合体として全体の映像を記録するカメラの総称。もっとも一般的なフォーカルプレンシャッターを備えた一眼レフカメラなども,この意味からいえばスリットカメラの一種といえるが,通常は除外される。スリットカメラの一つにパノラマカメラpanoramic cameraがある。これは後側主点を中心に回転する撮影レンズと,その焦点位置にあってレンズとともに回転するスリットからなり,この回転軸を中心として円形に配置されたフィルム上にきわめて大画角の映像をゆがみなく鮮鋭に撮影できる。場合によってこの画角は360度に達する。
また競馬,競輪などの着順判定カメラは,撮影レンズの焦点位置に固定されたスリットがあり,被写体像の走行にほぼ同期して同方向にフィルムを走らせるもので,走行する列車をその全長にわたり,等倍で鮮鋭な撮影をするためにもこのタイプのスリットカメラが用いられる。
執筆者:小倉 磐夫
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