コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

スンニ派 すんには

知恵蔵の解説

スンニ派

イスラム教の最大宗派で、ムスリムの約85%を占める。スンニ(スンナ)とは「慣行・規範・先例」という意味。スンニ派は正式には「スンナと共同体の民」と呼ばれ、西アジアだけでなく、北アフリカ、中央アジア、東南アジアのイスラム国のほとんどで多数派を占め、事実上イスラムの正統派になっている。
スンニ派は聖典コーラン(クルアーン)の教えに加え、預言者ムハンマドの言行録(ハディース)に基づく行動規範(スンニ)や、イスラム共同体(ウンマ)で形成された合意(イジュマー)を信仰のよりどころとする。イスラム創始期の伝統を守り、日常生活におけるイスラム法(シャリーア)の実践を重視するが、そこにはイスラム法学者のキヤース(類推)も加わっている。こうして体系化された法的解釈は、ハナフィー派、マーリク派、シャーフィイー派、ハンバリー派の4学派に分かれ、各地に伝わっていった。ただし、現在のイスラム国の大半は、西欧の近代法も採用しており、厳格なイスラム法による統治国はサウジアラビアなどわずかに過ぎない。
シーア派との分裂は、預言者ムハンマドの後継者争いに始まる。ムハンマド亡き後、アブ・バクル、オマル、オスマン、アリーが後継者となり、スンニ派は4人を最高指導者(カリフ)として認めた。一方、シーア派はムハンマドの娘婿で従弟のアリーだけが正統な後継者であり、その子孫がイスラム共同体の最高指導者(イマーム)を世襲するものと考える。
スンニ派はアリーを含む4人を後継者と認めているものの、彼らを聖人化することはない。また、偶像崇拝を排し、その後の指導者や神学者たちに宗教的権威を付与することもなく、アッラーへの信仰と伝統的な共同体の安定を重んじる。

(大迫秀樹  フリー編集者 / 2011年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について | 情報

スンニ派の関連キーワードアハラール・アル・シャーム・イスラム運動イラク・シリア・イスラム国(ISIS)イスラミック・ジハード・ユニオンイラク憲法案の承認と国民議会選挙イランとサウジアラビアの対立イラク・レバントのイスラム国タクフィール・ワル・ヒジュラナクシュバンディア教団信者軍タキー・アルディン スルフシパエ・サハバ・パキスタンイラクのスンニ派とシーア派イラクのスンニ派、シーア派アスバト・アル・アンサールイラク・シリアのイスラム国アンサール・アル・イスラムファタハ・アル・イスラムパキスタンタリバーン運動アブドラ・アッザム旅団ラシュカレ・ジャンヴィ中央アジアのイスラム

今日のキーワード

異常天候早期警戒情報

5日から 8日先を最初の日とする 7日間の平均気温がかなり高い,またはかなり低い確率が 30%以上と見込まれる場合に注意を呼びかけるため気象庁から発表される情報。低温や猛暑が長く続くと,人の活動や農作...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

スンニ派の関連情報