出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
C130H220N44O41(3055.45).十二指腸の上皮細胞で合成されるペプチドホルモンで,27アミノ酸残基よりなる.十二指腸内が酸性のときに血中に分泌され,膵臓に作用して,炭酸水素イオンの分泌を促す.胃液の中和を監視しているホルモンといえる.名前以外は似ても似つかないセレクチンとまぎらわしいので間違えないように注意.[CAS 17034-35-4]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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…また消化管ホルモンも消化管運動の調節にあずかる。たとえば,ガストリンは胃運動の促進,幽門括約部の弛緩,食道下部括約部の収縮,小腸運動と胆囊収縮の促進をひき起こし,セクレチンは食道下部括約部,胃,小腸の運動を抑制する。 消化管運動には大別して,蠕動(ぜんどう)と分節運動の二つの型式がある。…
…胃内の食物はこの酸性の状態で働くペプシンというタンパク質分解酵素によりある程度消化される。胃の内容物が酸性のまま十二指腸内に入ると,十二指腸粘膜からセクレチン,コレシストキニン‐パンクレオチミンという消化管ホルモンが血液中に放出され,循環して膵臓に至り,膵液の分泌を促す。セクレチンは膵臓の導管系細胞から水と炭酸水素ナトリウムを分泌させ,コレシストキニン‐パンクレオチミンは腺房細胞に働いて,消化酵素の合成・分泌をたかめる。…
…ホルモンは生体内にまったく新しい反応系や現象をひき起こすものではなく,すでにあるものを刺激したり,抑制するものである。なお,〈ホルモン〉の語は,セクレチンを発見したスターリングE.H.Starlingが,1905年に命名したもので,〈刺激するもの〉の意味である。無脊椎動物のホルモンについては,甲殻類のほか昆虫で詳しく研究されているが,これについては〈昆虫ホルモン〉の項目を参照されたい。…
※「セクレチン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」