知恵蔵 「ソロ充」の解説
ソロ充
現実の生活(=リアル)が充実している人を指す「リア充」という言葉がまず誕生し、そこから、1人でものごとを楽しむ人を指す「ソロ充」や、他人の目を気にしつつも、自分の学生生活がリア充であることや、行動を共にするグループの一員であることを確認せずにはいられない人を指す「キョロ充」などに派生していったとされる。
「1人で楽しめること」が定義である「ソロ充」には、いくつかのパターンがあると考えられる。まずは、本来なら複数ですることが多い行動を、あえて1人で楽しむケース。カラオケ、焼肉、飲みに行く、旅に出る、カフェでお茶を飲む、などである。次に、他の人が興味を示さないため、1人でやらざるを得ないケース。例えば寺院巡り、マニアックな映画・作品展などを見に行くなどが挙げられる。いずれの場合も、「ソロ」である自分を肯定している。
「1人ぼっち」という意味の「ぼっち」、「キョロ充」、「ソロ充」などの言葉が若者の間で使われるようになったことから分かるように、若者には、トイレや食堂での食事、授業、昼休みなどを「ソロ」で過ごすか集団で過ごすかなどを、他者からの評価の基準とする向きもあるようだ。
ソロ充は、友人を誘うのが面倒、人といると気を使う、相手のペースに合わせるのがつらい、などというタイプの人が、自由気ままに1人で過ごすことを指す言葉であり、「ぼっち」との違いは、本人が「充実」しているかどうかであるとされる。
(若林朋子 ライター/2015年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報