タイムレコーダー(読み)たいむれこーだー(その他表記)time recorder

翻訳|time recorder

デジタル大辞泉 「タイムレコーダー」の意味・読み・例文・類語

タイム‐レコーダー(time recorder)

時計印字装置とを組み合わせ時刻カード記録する器械従業員の出退時刻の記録などに用いる。

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精選版 日本国語大辞典 「タイムレコーダー」の意味・読み・例文・類語

タイム‐レコーダー

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] time recorder ) 時計と印字機械を組み合わせて、時刻を自動的に記録する装置。会社や工場などで、出勤・退出などの時刻をカードに記録し、賃金計算などの資料とする。タイムスタンプ。タイムレコード。
    1. [初出の実例]「タイムレコーダーを押したことなぞは彼には一度もないのだった」(出典:小説の書けぬ小説家(1936)〈中野重治〉)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「タイムレコーダー」の意味・わかりやすい解説

タイムレコーダー
たいむれこーだー
time recorder

従業員の出退勤・時間外勤務などを記録して時間管理を行う事務機。1871年、アメリカのウィルソンJohn C. Wilsonが試作第1号機を製作したのが最初で、日本では1931年(昭和6)に国産品が発売された。第二次世界大戦終了後、戦前と同じぜんまい式の生産が再開されたが、広く普及したのは50年代に電動打刻式が出現してからである。75年ごろからは時計部分にクォーツを採用、78年にはエレクトロニクスを導入して複雑な勤務シフトに対応できる機種が登場した。さらに、80年からはマイコンを組み込み、給料計算などまでを行う機種も販売されている。

 種類を大別すると、〔1〕機械式、〔2〕電子式、〔3〕集計機能付き、〔4〕システムタイムレコーダーの4種があり、順次機能が拡大する。〔1〕は同期モーターを使用し、時計の駆動部、カード送り機構、印字機構の基本構造に、時報装置、月末自動調整装置、停電時稼動装置などが適宜付加される。〔2〕は数個のIC基盤にその会社の出退に関するプログラムを入れ、電子メロディーの時報、異例勤務への対応を行う。〔3〕はさらにパートアルバイト正社員の勤務シフトに対応するとともに、残業時間や簡単な賃金まで算出する。〔4〕はIDカードや複雑な記録のとれるカードを使用し、各端末からの勤務情報をコンピュータに入れ、集計、賃金計算、統計などを行い、さらにオンラインシステムLAN(ラン)システムに接続する。将来は視覚・掌紋・音声センサーなどの個人識別により、より高度の時間管理を指向するものと思われる。

[古長尉角]

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改訂新版 世界大百科事典 「タイムレコーダー」の意味・わかりやすい解説

タイムレコーダー
time recorder

時計に印字機構を組み合わせ,時刻を所定のカードに自動記録する装置。一般に従業員の出退勤管理を行うために使用する。日本には明治末期にアメリカのシンシナティやストロンバーグのぜんまい式タイムレコーダーが紹介されている。1931年には国産機が開発され,以来改良に改良が加えられ今日に至っている。工場,事務所,商店等の出退勤管理はもとより,生産管理,工程管理面での標準時間設定,作業量の測定,原価計算等にも使われている。コンピューターの普及によって,印字データをコンピューターにインプットする装置や,タイムカードにOCR文字で印字しリーダーで読み取るといったシステムレコーダーも広く普及している。特に,マイクロコンピューターを内蔵し集計業務がワンタッチでできる電子タイムレコーダーや,身分証明書に磁気カードを利用し,それを入力媒体にすることによってタイムカードを手計算する手間を省いたものは,従業員規模の大きな事業所で導入がめだっている。単なる出勤,退勤時間の管理のみから,勤怠管理,シフト管理,給与計算,経営情報管理等も同時に行う総合的な管理システムを可能にしてきている。
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百科事典マイペディア 「タイムレコーダー」の意味・わかりやすい解説

タイムレコーダー

時計と印字機構を組み合わせ,時計の指示する日時をカードに印字する装置。振子時計式もあったが現在は電気式となり,マイコン内蔵で各種の集計が行えるもの,磁気カードを利用するものなど多様な機種が開発されている。主に事業所などの出退勤時刻の記録に使用。
→関連項目事務機械

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