タマシギ(英語表記)Rostratula benghalensis; greater painted snipe

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

タマシギ
Rostratula benghalensis; greater painted snipe

チドリ目タマシギ科。全長 23~28cm。は長くやや下側に曲がる。多くの鳥と違ってのほうが美しく,また体も大きい。雌は喉と頸の脇,胸が濃い栗色で,眼のまわりの白い輪が後ろに伸びている。肩から胸にかけて白い帯模様があり,白い腹部とつながる。背は灰褐色の地に複雑な横帯の模様がある。の胸は灰褐色の縦斑模様で,体全体は雌と模様が似ているが,色彩はくすんでいて黄色みがある。アフリカサハラ砂漠の南,インドから東アジア南部,東南アジアに広く繁殖分布する。インドや中国,日本などの北部で繁殖する鳥の一部は南へ渡って越冬するが,そのほかは留鳥である。日本でも本州中部以南では留鳥として分布している。水田湿地にすみ,地上に草の茎などを積み重ねて巣をつくり,4卵を産む。一妻多夫の繁殖習性で,営巣,抱卵育雛は雄が行なう。雌は「こーこーこー」と鳴いてなわばりを宣言し,敵と争う。(→渉禽類

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百科事典マイペディアの解説

タマシギ

タマシギ科の鳥。翼長13cm。雌は雄より色彩が華美で頸(くび)は栗茶色,背は暗緑褐色で両側に黄褐色,白色の線が走る。雄はオリーブ褐色。中国,東南アジア,アフリカ,オーストラリア等に分布。日本では留鳥として本州中部以西の平地の湿地や水田で見られ,草の根元等に営巣する。雌は卵を産み終わると別の雄を求め,巣作り,抱卵,育雛(いくすう)等は雄が行う。絶滅危惧II類(環境省第4次レッドリスト)。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

タマシギ
たましぎ / 玉鷸
painted snipe
[学]Rostratula benghalensis

鳥綱チドリ目タマシギ科の鳥。日本を繁殖地の北限とし、中国の東部と南部、アジア南部から中央アジアを経てアフリカにまで分布する。日本では留鳥としておもに関東地方に分布する。全長約24センチメートル。体の上面は褐色で、翼には黄白色の円い斑紋(はんもん)がたくさんあり、雄の胸は灰褐色、雌の胸は栗(くり)赤色で、雌のほうがはでな色をしている。水田、休耕田、湿地にすみ、浅水中で昆虫などをあさる。雌雄逆の繁殖習性をもち、雄が巣をつくって卵を抱き、雛(ひな)を育てる。そして雌が縄張り宣言をし、他の雌と争う。また一雌多雄で繁殖し、1羽の雌はある雄と交尾して卵を産むと、次の雄とつがいとなって、ふたたび産卵する。巣は稲株の根元や草むらの中に枯れ草でつくられ、4個の卵を産む。抱卵日数は約18日である。雌は4~9月の間、夕方から夜にかけてコーッコーッと高い声で鳴く。繁殖期以外は数羽から10羽ぐらいの小群をつくっている。
 なお、タマシギ科Rostratulidaeには2種だけが含まれ、ナンベイタマシギNycticryphes semicollarisは南アメリカだけに分布する。[高野伸二]

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