翻訳|duster
散粉機のことで,送風機の送風によって粉剤農薬を散布する防除機である。ダスターはアメリカで発達した機械であるが,日本へは第2次大戦後導入され,広く使われるようになった。ハンドルを手で回して送風ファンを回転させる人力散粉機と,エンジンあるいはトラクターの動力取出軸(PTO軸)の動力で駆動する動力散粉機がある。主要部の構造は,粉剤タンク,かくはん装置,粉送り装置,送風機,噴頭などからなっており,タンクの粉剤をほぐしながら粉送りを円滑にし,送風機からの風に乗せて均一に散布できるようになっている。動力散粉機には種々の型式・大きさのものがあるが,日本では背負式動力散粉機が最も多く使われている。背負式ではタンク容量6~9kg,1日当りの作業面積は2~8ha程度である。また動力散粉機の送風管出口に小穴の開いた長さ10~40mのビニルホースを取り付け(パイプダスターと呼ばれる),終端を他の作業者が手で持って平行歩行すれば,作業幅を広くとれ能率が高く,畦畔(けいはん)からの作業が可能である。
→農業機械
執筆者:岡本 嗣男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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