インド古来の打楽器。腰鼓の一種。インド神話によれば,シバ神は,宇宙創造の舞踊(ターンダバ)において,ムリダンガとともに,より小型で砂時計状の形をしたダマルを使用した。古典サンスクリット文学では,どくろを首からつるしたシバ教の一派の楽器とされる。中央のくびれた胴は木,陶器,青銅などで作られており,両面の革は締紐によって双方に結びつけられる。12世紀ころのマルカンダ出土の彫像では,左手は締紐の上から胴をつかみ,右手の指が革の表面に触れている。小型のものは,片手で左右に容易に回し振りすることができるところから,小さな球を紐につけて,振鼓(ふりつづみ)としたものもある。これはチベットの,どくろを2個合わせて胴とした〈ガー・チュン〉と同種のものである。これもダマルとも呼ばれ,その構造等の原始性から,ダマルの原型とする説もある。
執筆者:島田 外志夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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