スイスの音楽・舞踊教育家。ウィーンに生まれ、ジュネーブに死す。ブルックナーなどに音楽を学び、1892年ジュネーブの音楽院の教師となり、音を身体運動に移し換えることによってリズム感をよくする教育方法「ユーリズミック」eurhythmics(別称「リトミック」rythmique、フランス語)を発明した。1910年にはドイツのヘレラウに研究所をつくり、多くの生徒を送り出したが、ウィグマン、ホルム、伊藤道郎(みちお)などの舞踊家もここに学んだ。22年に『リズム、音楽、教育』を著した。ニジンスキーがリトミックを使ってストラビンスキーの『春の祭典』(1913)を振り付けたのは有名な話である。リトミックは世界各国の音楽教育、舞踊教育に多大な影響を与え、日本でも岩村信雄(のぶお)、小林宗作(そうさく)はじめ、多くの信奉者を生み、幼児教育のなかに浸透している。
[市川 雅]
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