イタリアの金銀細工師、彫刻家、著述家。11月3日フィレンツェに生まれる。『自伝』によれば、女児の誕生を望んでいた両親によって、皮肉にもベンベヌート(ようこそいらっしゃいました)と名づけられたという。15歳で金銀細工師の徒弟となり、19歳で家郷を出て各地を遍歴したあとローマに住み、約20年間主として同地で活躍。最初ラファエッロ派およびメダル製作者フォッパ・カラトッソらの影響を受けたが、のちミケランジェロの作風を模して工芸や彫刻の制作に従事。クレメンテ7世、フランソア1世、イッポリット・デステらの委嘱による工芸品には、ミケランジェロの影響を強くとどめている。40歳、フランソア1世の招きでパリに滞在、45歳でフィレンツェに帰郷し、以後メディチのコジモ1世に仕えて余生をその地で送り、71年2月13日没。
主要作品には、金にエマイユを施した『フランソア1世の塩入れ』(1540~43、ウィーン美術史博物館)、青銅の浮彫り『フォンテンブローのニンフ』(1543~44、ルーブル美術館)、またコジモ1世の委嘱による青銅の『ペルセウス』(1545~54、フィレンツェ、ロッジア・ディ・ランツィ)などがある。『ペルセウス』は彼の会心作であるが、彫刻としてあるいは鋳造技術としてよりも『自伝』が語る劇的な制作過程によって有名であり、ベルリオーズ作曲のオペラ『ベンベヌート・チェッリーニ』(1838・パリ初演)もこのエピソードによっている。
チェッリーニの『自伝』は58歳から62歳の間に執筆されたが、生前には出版されず、1728年にイタリアで初版が、71年イギリス、96年ドイツで出版され、ゲーテの賞賛を博している。ほかに『金銀細工について』『彫刻について』(ともに1568)、および『詩集』(1891)がある。
[裾分一弘]
『黒田正利訳『自伝』(1967・現代思潮社)』
各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...
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