チオインジゴ(読み)ちおいんじご(その他表記)thioindigo

日本大百科全書(ニッポニカ) 「チオインジゴ」の意味・わかりやすい解説

チオインジゴ
ちおいんじご
thioindigo

2,2'-ビスチオナフテンインジゴ染料ともいわれ、インジゴイド系バット染料一種である。1905年ドイツのフリードレンダーPaul Friedländer(1857―1923)により発見された。置換基種類位置により種々の色相のものが得られるが、赤から赤紫色のものが重要である。

 インダンスレン染料には良好な赤色系染料が少ないために、チオインジゴ系染料が、赤色系インダンスレン染料に加えられている。

[飛田満彦]


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改訂新版 世界大百科事典 「チオインジゴ」の意味・わかりやすい解説

チオインジゴ
thioindigo



インジゴに類似した含硫黄化合物で,だいだい色ないし赤色の建染染料である。チオサリチル酸とモノクロロ酢酸原料として合成される。歴史的には1906年インジゴの硫黄誘導体をつくる目的でフリートレンダーPaul Friedländer(1857-1923)により初めてつくられた。現在建染染料としては,クロロ誘導体,メチル誘導体,エトキシ誘導体などがだいだい色より赤色の染料として使用されているし,特殊な顔料化を行い有機顔料としても一部使用される。建染染料として色は鮮明だが,欠点は耐光性があまり高くない点である。
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化学辞典 第2版 「チオインジゴ」の解説

チオインジゴ
チオインジゴ
thioindigo

C16H8O2S2(296.36).C.I.Vat Red 41ともいう.チオインドキシルのアルカリ溶液を硫黄で酸化すると得られる.赤色の針状晶.融点359 ℃.熱ニトロベンゼンに易溶,クロロホルム,二硫化炭素に難溶,水,冷エタノールに不溶.シス形トランス形が存在する.λmax 490,285 nm(シス形),543,310 nm(トランス形),羊毛,絹用の赤色建染め染料に用いられる.[CAS 522-75-8]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チオインジゴ」の意味・わかりやすい解説

チオインジゴ
thioindigo

赤色建染染料。赤褐色針状晶,融点 280℃以上。昇華性をもつ。インジゴの分子の NH の代りにSが入ったもの。還元すると無色のチオインジゴ白となり,酸化するとチオインジゴ-S-オキシドになる。

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