コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

チオフェノール thiophenol

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

チオフェノール
thiophenol

(1) -SH基を側鎖にもつ芳香族化合物の総称。フェノールと類似の性質をもつが,フェノールより酸性が強い。一般に悪臭をもつ液体。(2) フェニルメルカプタンのこと。化学式は C6H5SH。フェノールの酸素原子が硫黄原子で置き換わった構造をもつ化合物。刺激臭のある液体。沸点 168℃。水に不溶,アルコールに易溶,エーテルベンゼンと混じり合う。空気中では酸化されてジフェニルジスルフィド C6H5・SS・C6H5 になる。(→メルカプタン

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

世界大百科事典 第2版の解説

チオフェノール【thiophenol】

ベンゼン環にメルカプト基-SHが置換した化合物で,ベンゼンチオールbenzenethiol,フェニルメルカプタンphenylmercaptanともいう。フェノールC6H5OHの硫黄類似体に相当する。また広義には,芳香族チオールの総称として用いる。融点-14.8℃,沸点168.7℃。悪臭を有する液体で水に溶けにくい。弱酸であるがフェノールより酸性が強く,多くの金属とチオラートthiolateと呼ばれる塩をつくる。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

チオフェノール
ちおふぇのーる
thiophenol

芳香族チオール(メルカプタン)を代表する化合物。ベンゼンチオール、フェニルメルカプタンともいう。フェノールの酸素原子のかわりに硫黄(いおう)原子の入った化合物。メルカプタン特有の悪臭がある。塩化ベンゼンスルホニルC6H5-SO2Clを硫酸中で粉末状亜鉛により還元して得られる。無色の液体。水には溶けにくいが、エタノール(エチルアルコール)、エーテルにはよく溶ける。酸性はフェノールよりも強い。一般のメルカプタンと同様、金属塩のメルカプチドC6H5SMを生じる。空気中で酸化されるとジフェニルジスルフィドC6H5SSC6H5(示性式。構造をより詳しく示す式)を生じ、さらに激しい条件で酸化するとベンゼンスルホン酸になる。水素を放出してジフェニルジスルフィドC12H10S2(分子式)になりやすいので還元剤としても用いられる。[務台 潔]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

チオフェノールの関連キーワードチオフェノール(データノート)メルカプト基スルホン酸有機酸

今日のキーワード

分水嶺

1 分水界になっている山稜(さんりょう)。分水山脈。2 《1が、雨水が異なる水系に分かれる場所であることから》物事の方向性が決まる分かれ目のたとえ。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android