日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベンゼンスルホン酸」の意味・わかりやすい解説
ベンゼンスルホン酸
べんぜんするほんさん
benzenesulfonic acid
芳香族スルホン酸を代表する化合物。無色の結晶。ベンゼンに発煙硫酸を作用させて得られる。二水和物の融点は43~44℃。潮解性があり、保存しにくいため、普通は塩の形で保存する。水、エタノール(エチルアルコール)にはよく溶ける。ナトリウム塩を水酸化ナトリウムとともに融解し、酸で処理するとフェノールが得られる(フェノールの工業的製法の一つ)。五塩化リンの作用で塩化ベンゼンスルホニルC6H5SO2Clを、塩酸と加圧下で加熱するとベンゼンを生じる。
[務台 潔]
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