ベンゼンスルホン酸(読み)べんぜんするほんさん(英語表記)benzenesulfonic acid

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベンゼンスルホン酸」の意味・わかりやすい解説

ベンゼンスルホン酸
べんぜんするほんさん
benzenesulfonic acid

芳香族スルホン酸を代表する化合物無色結晶ベンゼン発煙硫酸を作用させて得られる。二水和物の融点は43~44℃。潮解性があり、保存しにくいため、普通は塩の形で保存する。水、エタノールエチルアルコール)にはよく溶ける。ナトリウム塩を水酸化ナトリウムとともに融解し、酸で処理するとフェノールが得られる(フェノールの工業的製法の一つ)。五塩化リンの作用で塩化ベンゼンスルホニルC6H5SO2Clを、塩酸と加圧下で加熱するとベンゼンを生じる。

[務台 潔]


ベンゼンスルホン酸(データノート)
べんぜんするほんさんでーたのーと

ベンゼンスルホン酸

 分子式 C6H6O3S
 分子量 158.2
 融点  50~51℃
 沸点  135~137℃(高度真空

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベンゼンスルホン酸」の意味・わかりやすい解説

ベンゼンスルホン酸
ベンゼンスルホンさん
benzenesulfonic acid

化学式 C6H5SO3H・1.5H2O 。融点 43~44℃,無色板状晶。ベンゼンと発煙硫酸から合成される。水,アルコールに可溶水溶液は強い酸性を示す。アルカリ融解によってフェノールが合成される。

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