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チベット自治区 チベットTibet

翻訳|Tibet

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

チベット〔自治区〕
チベット
Tibet

漢語名はシーツァン (西蔵) 。略称はツァン (蔵) 。中国南西部の1級行政区。行政中心地であるラサ (拉薩) 特別市と6つの地区に分れ,1市,70県から成る。 1956年チベット自治区準備委員会が設けられ,59年チベット政府の解散を経て,65年自治区が成立した。平均標高 4000mのチベット高原の主要部を占める。南部はヒマラヤ山脈で,チョモランマ (珠穆朗馬) 山 (エベレスト) ,シシャパンマ (希夏邦馬) 峰 (ゴサインタン) などの峻険な峰が連なる。高原は東西方向の多くの山脈から成るが,比高が小さく,傾斜はなだらかで,山間には盆地が広がり,塩湖が散在する。山間でも1年の約半分は雪と氷に閉ざされ,気温の日較差が大きい。一般に平均気温は7月でも 10℃以下で,年降水量は 200mmにすぎない。しかし日照時間が長く,雪どけ水が豊富であるため,夏季には草原が広がる。ヒツジ,ヤギ,ヤク,ウシの飼育が多い。ヤクは物資の運搬にも重要な役割を果す。ヒマラヤ山脈の北麓を東流するヤルン川と支流の谷は標高 4000m以下で,7月の平均気温は 16℃に達し,年降水量は西部で 200mm,東部で 2000mmである。自治区の主要な農業地域で,ラサ市,シガツェ (日喀則) 市,ギャンツェ (江孜) 市などが立地している。チンクオと呼ばれるハダカムギと,ユワンケン (円根) と呼ばれるダイコンが伝統的作物であるが,コムギ,ソバ,エンドウ,ソラマメ,アブラナ,アサ,テンサイなども導入された。東部では山腹にトウヒ類,モミ類などが繁茂し,谷底では水稲と果樹などを栽培する。各地で農牧地の改良,拡大が進められ,灌漑面積は耕地の 80%に及んだ。地下資源はマルツァラ (馬査拉) ,ミサル (門士) などに炭鉱があるほか,鉄,塩,天然ソーダなどがある。ヤルン川流域では水力発電所も各地に建設された。製紙,製糖,毛紡織,マッチ,皮革,石鹸などの工業がある。冬虫夏草,バイモ,麝香などの漢方薬材を特産する。隣接する各省から自動車道が延び,ラサ市には定期空路も開かれている。住民はチベット族が 90%を占め,ほかに漢族,ムン族,ロ族,ホイ族など。面積 122万 1600km2。人口 219万 6010 (1990) 。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

チベット自治区

中国南西部に位置し、インドネパールなどと隣接。面積は約123万平方キロで中国の直轄市・省・自治区の中で2番目に広い。人口は約318万人で9割がチベット族。1951年、中国軍がラサに進駐し、チベット族の反発が拡大。59年の動乱を軍が鎮圧し、ダライ・ラマ14世がインドに脱出して亡命政府を樹立した後、65年にチベット自治区が成立した。その後も抗議行動が続き、89年にはラサに戒厳令が敷かれた。2008年にもラサなどで大規模な騒乱が発生した。

(2016-09-22 朝日新聞 朝刊 2外報)

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デジタル大辞泉の解説

チベット‐じちく【チベット自治区】

チベット

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世界大百科事典 第2版の解説

チベットじちく【チベット自治区 Xī zàng zì zhì qū】

中華人民共和国南西部にある自治区。中国では西蔵自治区と表記される。略称は蔵。北側東部は青海省,北側西部は新疆ウイグル自治区,南西部はインド,南はネパール,ブータン,インド,ミャンマー,東部は雲南省,四川省と接する。面積120余万km2,人口240万(1995)。1地区級市,6地区からなり,さらにそれらが77県級行政地域(1市,76県)に区分されている。自治区人民政府所在地はラサ(拉薩)市。
[自然]
 チベット自治区は北はタングラ(唐古拉),ホフシル(可可西里),崑崙,西はカラコルムの支脈とヒマラヤ,南はヒマラヤ,東は横断山脈にかこまれ,ほぼ全域が青蔵高原の一部,すなわちチベット高原からなりたつ典型的な山地性高原である。

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