チロシンキナーゼ(その他表記)tyrosine kinase

デジタル大辞泉 「チロシンキナーゼ」の意味・読み・例文・類語

チロシン‐キナーゼ(tyrosine kinase)

たんぱく質を構成するアミノ酸の一つであるチロシンリン酸を付加する機能を持つ酵素プロテインキナーゼ一種細胞増殖分化などに関わる信号伝達に重要な役割を果たす。遺伝子変異によってチロシンキナーゼが異常に活性化すると、細胞が異常に増殖し、がんなどの疾病原因となる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

栄養・生化学辞典 「チロシンキナーゼ」の解説

チロシンキナーゼ

 タンパク質チロシンキナーゼともいう.タンパク質の中のチロシンをリン酸エステル化する反応を触媒する酵素.インスリンレセプターインスリンレセプター基質などもこの酵素活性をもつ.細胞内での信号伝達系で重要な機能をはたし,遺伝子の変異によって基質となるチロシンを変異させると,信号伝達に重大な障害がでることが多い.インスリン,インスリン様成長(増殖)因子上皮成長因子などの信号伝達に関与する.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android