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上皮成長因子 じょうひせいちょういんしepidermal growth factor; EGF

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

上皮成長因子
じょうひせいちょういんし
epidermal growth factor; EGF

上皮性細胞をはじめとする種々の細胞に対し増殖を促進する作用を持つポリペプチド。 1962年に,S.コーヘンは雄マウス顎下腺抽出物中に上皮細胞の顕著な増殖を誘起する因子があることを発見し,epidermal growth factor; EGFと命名した。マウス EGFは分子量 6045,アミノ酸 53個から成り,ヒト EGFは分子量 6021でマウスと同様 53個のアミノ酸から成る。 EGFの作用は種特異性が少なく,上皮細胞,繊維芽細胞,肝細胞などさまざまな細胞に対し増殖効果を示す。生体においては細胞の増殖・分化に重要な役割を果たしている成長因子と考えられる。一方グレゴリーは胃酸分泌を抑制する物質としてウロガストン (UG) をヒト尿より単離し,後にこれは EGFと同一の物質であることが認められた。 EGFはほとんどすべての体液中で検出され,ヒトの血中濃度は 100~200pg/ml,尿中では 50~100μg/day程度の量が存在する。 EGFの作用は形質膜上の EGFレセプターと結合することにより細胞内に伝達される。遺伝子工学の手法により大量の EGFが入手可能となり,創傷や潰瘍 (かいよう) 治療への応用が期待されている。ブタの皮膚を利用した研究では,火傷,表皮剥離 (はくり) に対し EGFが有効な治療効果を示すことが明らかとなった。また経口投与により消化管粘膜細胞へ作用させ,十二指腸潰瘍を治療する研究も進められている。

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デジタル大辞泉の解説

じょうひ‐せいちょういんし〔ジヤウヒセイチヤウインシ〕【上皮成長因子】

上皮(皮膚・粘膜など)の細胞の増殖を調節する機能をもつたんぱく質。細胞の表面にある上皮成長因子受容体EGFR)と結合して、受容体チロシンキナーゼを活性化する。表皮成長因子上皮細胞増殖因子上皮増殖因子。EGF(epidermal growth factor; epithelial growth factor)。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

栄養・生化学辞典の解説

上皮成長因子

 アミノ酸53個からなるペプチドで,細胞の増殖を促進する作用がある.

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