テルチ(その他表記)Telc

デジタル大辞泉 「テルチ」の意味・読み・例文・類語

テルチ(Telč)

チェコ南部、モラバ地方の町。プラハ南東約130キロメートルに位置する。1530年の大火焦土となるが、市長ザカリアスにより復興。旧市街はテルチ城をはじめ、そのころにつくられたルネサンス様式の建物が残り、1992年に「テルチ歴史地区」として世界遺産文化遺産)に登録された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テルチ」の意味・わかりやすい解説

テルチ
Telc

チェコ中南部,南モラビア州にある町。首都プラハとオーストリアウィーンのほぼ中央に位置し,東西を結ぶ交通の要衝にあって中世から栄え,その時代の町並みをそのまま残している。 12世紀に干拓された沼地高台に築かれた町の周囲には,外敵に備えてウリツキー,シュテプニツキー,シュタロメシツキーという三つの池が掘られている。 1530年の大火災で町の建物の大部分焼失,再建にあたって,建物の正面を除きマルクト広場 (現中央広場) 周辺の建物をすべてルネサンス様式と初期バロック様式規範にのっとったものとした。再建工事は 40年あまりの歳月を要したが,町全体としての調和と家ごとに意匠を凝らした豊かな個性をみごとに両立させた町並みが現在まで残っている。町の北側に 16世紀に建てられたルネサンス様式の城があり,「黄金の間」の格天井の装飾で有名。城の周辺には旧イエズス会の神学校と聖堂,後期ゴシック様式の聖ヤコブ聖堂がある。 1992年世界遺産の文化遺産に登録。

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百科事典マイペディア 「テルチ」の意味・わかりやすい解説

テルチ

チェコ南部にある町。14世紀末以降,町はかつての木造家屋が石造りに再建され,周囲に防壁がめぐらされ,濠(ほり)がつくられた。現在,ルネサンス様式の中央広場の周囲にはルネサンスやバロック様式の建物が並ぶ。13世紀に建造された聖霊教会の塔,14世紀のイエズス会の大学,聖ヤコブ教会,15世紀に再建されたゴシック様式の城などもあり,中世の面影を伝えている。歴史地区は1992年,世界文化遺産に登録。

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