ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ディポ・ネゴロ」の意味・わかりやすい解説
ディポ・ネゴロ
Dipo Negoro
[没]1855. スラウェシ島，マカッサル
ジャワのジョクジャカルタ王アマンク・ブウォノ3世の長男で，ジャワ戦争の指導者。ナポレオン戦争に乗じてイギリスはマレー半島からジャワに進出し，1811～16年までジャワを支配した。当時副総督の T.ラッフルズは彼に王位継承を約束していたが，16年ジャワがオランダに返還されると，この約束は無視され，22年幼少の異母弟アマンク・ブウォノ5世が王位を継承した。彼は宮廷を出て隠棲したが，熱心なイスラム教徒でジャワ人一般からの信任も厚かったところから，オランダ支配に不満をもつ各種不平分子が彼のもとに集り，ついに 25年蜂起してジャワ戦争を起した。 30年オランダ軍に捕えられてスラウェシ (セレベス) 島に流され，同地で没した。インドネシアの民族英雄の一人。
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