ディールス-アルダー反応(読み)ディールスアルダーハンノウ

化学辞典 第2版 の解説

ディールス-アルダー反応
ディールスアルダーハンノウ
Diels-Alder reaction

ジエン合成ともよばれる.共役二重結合に,二重結合または三重結合をもった化合物(ジエノフィルという)が1,4-付加して六員環化合物を生成する反応

ジエノフィルとしては,無水マレイン酸p-ベンゾキノン,クロトンアルデヒドアクリロニトリル,テトラシアノエテンなど,二重結合の炭素原子電子求引性基が結合したものが反応しやすい.反応は可逆的で,加熱または電子衝撃によりジエンとジエノフィルに解離することがある(逆ディールス-アルダー反応(retro Diels-Alder reaction)という).ディールス-アルダー反応は,4π電子系(ジエン)と2π電子系(ジエノフィル)の[4+2]付加環化反応で,協奏的に進行する.立体選択性や位置選択性が高いのは,ウッドワード-ホフマン則フロンティア電子論で説明される.また,ジエンとジエノフィルの不飽和結合(π電子)が立体的になるべく重なるような位置をとってシス付加によって反応が進む.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ディールス=アルダー反応
ディールス=アルダーはんのう
Diels-Alder reaction

1929年に O.ディールスと K.アルダーが発見した反応。ジエン合成と呼ばれることもある。共役二重結合 (共役ジエン) の1,4位に二重結合または三重結合をもつ化合物が付加して,六員環化合物を生成する反応。ジエンに付加する不飽和化合物をジエノフィルといい,代表的なものとして無水マレイン酸,パラベンゾキノンなどがある。ジエンとしてはブタジエンシクロペンタジエンフランなどが用いられる。

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改訂新版 世界大百科事典 の解説

ディールス=アルダー反応 (ディールスアルダーはんのう)

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日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ディールス‐アルダー反応
でぃーるすあるだーはんのう

ジエン合成

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のディールス-アルダー反応の言及

【ジエン合成】より

…ディールス=アルダー反応Diels‐Alder reactionを用いる有機化合物の合成反応の総称。ディールス=アルダー反応ではジエン(炭素間二重結合を2個もつ化合物)を用いるのでこの名がある。…

※「ディールス-アルダー反応」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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