ドイツの有機化学者。1月23日ハンブルクの生まれ。ベルリンで化学を学び学位取得(1899)、E・フィッシャーに学び、ベルリン大学準教授(1914)、キール大学教授(1916~1948)。おもな業績には以下のようなものがある。(1)マロン酸の水素化による亜酸化炭素の発見とその性質について(1906)、(2)コレステリンや胆汁酸など炭化水素をセレンにより脱水素し、ディールスの炭化水素C18H16を導き(1935)、ステリンの炭素骨格の構造研究に貢献、(3)ディールス‐アルダー反応として知られるジエン合成(1928年より弟子アルダーとともに研究着手)の方法を大成し、付加反応の性質の解明や、環状化合物の合成や、共役二重結合を分析的に測定する方法に役だてた。これによって、各種の重合が行われ、化学工業や香料工業の発達が促され、1950年、アルダーとともにノーベル化学賞を受けた。3月7日、キールで没した。
[岩田敦子 2019年2月18日]
ドイツの有機化学者.1899年にベルリン大学で学位を取得し,大学に残ってE.H. Fischer(フィッシャー)の助手となり,1904年に講師.1914年ベルリン大学助教授,1916年にキール大学教授となり,1948年の引退まで勤めた.1907年に書いた有機化学教科書はよく読まれ版を重ねた.1906年マロン酸の脱水により亜酸化炭素を発見した.ステロイドの研究でセレン脱水素法を考案し,この方法によりステロイドから得た芳香族炭化水素(ディールスの炭化水素)の構造を決定し,ステロイド核の構造決定に大きく寄与した.1928年助手のK. Alder(アルダー)とともに,共役二重結合を有する化合物が不飽和結合をもつ化合物と反応して六員環の化合物をつくる反応(ディールス-アルダー反応)を発見し,1950年Alderとともにノーベル化学賞を受賞した.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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ドイツの古典文献学者。H.ウーゼナーの下で学び,のちベルリン大学教授となる。ギリシア古代哲学,ギリシア医学を専門とする。《ギリシア医学集成》や《ギリシア語アリストテレス注釈》26巻(1882-1909)の刊行に指導的役割を果たした。しかし本領はソクラテス以前の哲学史研究で,《ギリシア学説誌家》(1879),《前ソクラテス期哲学者断片》3巻(1903-10)は画期的研究として,今日においてもなお根本的研究にとって重要な業績である。
執筆者:廣川 洋一
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