ルーマニアの,カルパチ山脈に囲まれたトランシルバニア盆地の東部,ムレシュ川上流に位置するムレシュ県の県都。人口14万7734人(2005)。周辺からは,紀元前の石器,青銅器,鉄器が出土し,またダキア人やローマ人の使用した土器類が発見されるが,記録文書に現れるのは1332年以降である。当時この地域には,ルーマニア人とハンガリー人(セーケイ人)とが共存し,交易都市として栄えていた。その後,セーケイ人の多数居住する都市として発展した。現在,機械,金属,化学肥料,木材,繊維,食品などの工業が発達する。医薬科大学,高等師範学校,国立劇場,演劇研究所,人形劇団,交響楽団などがある。〈テレキ〉〈ボルヤイ〉など著名なセーケイ人の名を冠した文書館や博物館がある。また町の中心部には,15~17世紀に建造された城をはじめ,バロック様式の建築物や木造教会などがある。
執筆者:佐々田 誠之助
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ルーマニア中央部、ムレシュ県の県都。トランシルバニア東部、ムレシュ川上流にある。人口14万9577(2002)。1989年のチャウシェスク社会主義政権崩壊後、ルーマニア語は1945年以前の表記法に戻り、それに従いトゥルグ・ムレシュも社会主義時代に使用されたTîrgu Mureşから、Târgu Mureşに戻った。機械、金属、化学肥料、繊維、食品、木材、家具などの工業が発達している。大学や高等教育機関、劇場、交響楽団のある文化都市。14世紀以後、ルーマニア人とハンガリー人が共存し、交易都市として発展した。15世紀の城や18世紀の木造教会が残る。紀元前の石器も出土する。
[佐々田誠之助]
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