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トタル トタルTotal SA

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

トタル
Total SA

フランスの総合石油会社。1920年トルコの石油会社の利権の一部をフランス政府が取得,1924年フランセーズ・デ・ペトロール設立。中東地域の油田開発から出発し,1929年以後はアフリカでも開発を推進。原油の主要生産地域はイラクアラブ首長国連邦アルジェリアインドネシア天然ガスはフリッグ・ガス田のほか北海,アメリカなど。精製部門の製品はヨーロッパ,アフリカを中心に販売。国内,国外に子会社関連会社を多数もち,探鉱,原油・天然ガス生産,精製・販売,海運,石油化学,肥料から原子力エネルギー開発まで広範な事業を経営。1991年社名をトタルに変更。1992年に民営化。1999ベルギーの石油会社ペトロフィナと合併してトタルフィナとなり,さらに 2000年フランスの石油会社エルフ・アキテーヌと合併してトタルフィナエルフとなったが,2003年に社名をトタルに戻した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

トタル
とたる
Total S.A.

フランスの総合石油化学会社。石油と天然ガスの開発、精製、輸送・販売を一貫して行うスーパーメジャー国際石油資本)の一つ。1999年にフランスの国有企業であった旧トタルTotalとベルギーの石油大手ペトロフィナPtroFinaが合併してトタルフィナが誕生、ついで2000年エルフ・アキテーヌElf Aquitaineとの株式交換により統合してトタルフィナ・エルフとなり、2003年ふたたび社名をトタルに変更した。[簗場保行]

トタル(旧)

旧トタル社の前身である国有企業のフランス石油Compagnie Franaise des Ptroles(CFP)は、1924年第三共和制議会議長レイモン・ポアンカレの命により設立された。1927年、フランス石油が主要株主であるイラク石油(IPC)がイラク北東部キルクークに石油鉱床を発見。1929年フランス石油はパリ株式取引所上場。同年子会社のフランス石油精製Compagnie Franaise de Raffinage(CFR)が設立された(政府ほか独立精製業者が出資)。1936年アブダビで開発を開始。1947年以降、アフリカ、オーストラリア、カナダに販売会社を設立。1956年アルジェリアのサハラ砂漠で油田発見。1962年には液化石油ガス(LPG)配給のためのトタルギャズTotalgazを設立するなど、1960年代以降、中東、インドネシア、北海における油田開発とともに石油化学事業の多角化を推進した。1985年フランス石油よりトタルCFPに社名変更(1991年トタルに改称)。政府所有のトタル株式は1992年から1998年まで段階的に31.7%から5.4%まで引き下げられ、事実上民営化された。[簗場保行]

ペトロフィナ

ペトロフィナは1920年ベルギーのアントウェルペンでルーマニアの石油開発を目的としてCompagnie Financire Belge des Ptroles(PtroFina)として成立、同年販売会社プルフィナPurfinaが設立された。1950年以降、コンゴ、アンゴラ、赤道アフリカ、チュニジアが同社の開発、生産、流通の中心になった。1954年以降石油化学部門を強化し、1960年北海での資源開発、1972年塗料事業を開始した。1988年にはベルギー石油産業会社Socit Industrielle Belge des Ptroles(SIBP)買収により精製部門を強化した。[簗場保行]

エルフ・アキテーヌ

エルフ・アキテーヌの歴史は、1939年フランス南西部アキテーヌ地方サン・マルセにガス田が発見されたことに始まる。同年、独立石油公社が組織されて開発が進められ、1941年に国営のアキテーヌ石油Socit Nationale des Ptroles d'Aquitaine(SNPA)が設立された。さらにドゴール政権下の1966年、独立石油公社と石油調査局(1945年設立)が合併して国営企業のEnterprise de Recherches et d'Activits Ptrolires(ERAP)が創設され、アキテーヌ石油はその主要傘下企業としてトタルに次ぐフランス第2位の石油企業に成長した。1976年国立エルフ・アキテーヌ社Socit Nationale Elf Aquitaine(SNEA)に改称。1980年代以降は段階的に民営化され、1982年非鉄金属メーカーのペシネー・ユジーヌ・クールマン(現、リオ・ティント・アルキャン)の化学事業を吸収、1990年トタルとともにオルケムを分割。1994年に完全民営化された。[簗場保行]

合併によるスケールメリット

トタルフィナとエルフ・アキテーヌ統合の目的は、上流部門の採掘・開発事業の統合により資源を確保し、将来の成長を保障するためであり、また激しい競争のなかで弱体化が懸念される下流部門の精製販売、石油化学事業を集約化して強化を図るためであった。両社の重点分野は、開発ではトタルフィナが中東とイギリス領海の北海油田、エルフ・アキテーヌがアフリカとノルウェー領海北海油田、また化学部門ではトタルフィナがファイン・ケミカル、エルフ・アキテーヌが素材化学を中心としていたため、事業は重ならないが、接着剤などの重複分野は整理され、高シェア部門の統合強化が進められた。
 このような統合の背景には石油業界の世界的な再編の流れがあった。1990年代末にかけて、エクソン・モービル、シェブロンテキサコ(現シェブロン)の誕生、またBPとアモコの合併、ついで合併後のBPアモコ(現、BP)によるアトランティック・リッチフィールドの買収という動きがあり、これら3社にイギリス・オランダ系ロイヤル・ダッチ・シェルを加えたスーパー・メジャー(国際石油資本)とよばれる4社が飛び抜けた存在になり、また、石油価格の低迷でメジャー間に危機感が高まった。フランス政府の国家戦略によりトタル、エルフ両社はともに、1990年代に民営化された後もトップ人事は政府の影響下で行われていた。
 2010年の売上高は1592億6900万ユーロ、純利益108億0700万ユーロ、従業員10万人以上。124の国で事業運営し、1万7490のガソリンスタンドを有する。
 なお、傘下子会社で石油化学メーカーであったアトフィナ(ATOFINA)は2004年に組織が再編され、石油化学製品を扱うトタル・ペトロケミカルズTotal Petrochemicals、中間化学品を扱うアルケマ(ARKEMA)などに分割された。[簗場保行]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

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